フリーランスに必要な「営業力」とは?仕事を獲得するための2つの方法


技術を身につけ、それなりの経験を積むと、「自分の力を試したい」「自由に働きたい」との思いから、フリーランスという働き方を一度は考えてみたくなると思います。

フリーランスになるのは簡単です。会社を辞めればいいのですから。しかし、きちんと稼ぐとなると話は別です。会社では営業担当と技術担当が分かれていることが多く、営業が苦手な人はやらなくても何の問題もありません。ですが、フリーランスになると、営業も作業も制作もプロデュースもすべて自分で行わなければならなくなるのです。

今回は、フリーランスに欠かせない営業力=仕事を取ってくる力=稼ぐ力を身につける方法を考えてみたいと思います。

フリーランスって、どうやって仕事を取っているの?

そもそもフリーランスの人はどのように仕事を取ってきているのでしょうか。フリーランスは自由に働けるというイメージが先行し、人間関係のストレスから解放されるとか、好きなペースで働けると漠然と思っている人がいるかもしれませんが、ちゃんと生活できるだけのお金を稼ごうと思うと結構骨が折れるものです。

会社員時代より少ない!?フリーランスで稼げる年収はどのくらい?

株式会社日本アプライドリサーチ研究所が行った「平成27年度 小規模事業者等の事業活動に関する調査に係る委託事業報告書」では、フリーランスとして活躍する1,300人にアンケートを取っています。

まずは、「フリーランスとして得ている現在の年収」を見てみましょう。

  • 1位:100万円未満(21.5%
  • 2位:100万円以上~200万円未満(18.0%
  • 3位:200万円以上~300万円未満(17.2%

なんと、6割近い人が300万円未満の収入となっています。生活できるだけの収入を稼ぐのは、かなり難しいということがうかがえます。

「自由」なイメージとは裏腹に、フリーランスは意外と長時間労働

次に、「フリーランスとしての 11週間の平均労働時間(実労働時間)」を見てみましょう。

  • 1位:10時間未満(24.9%
  • 2位:40時間以上、50時間未満(20.3%
  • 3位:30時間以上、40時間未満(13.1%

40時間以上、50時間未満といえば会社員とほとんど同じ(1日8時間×週5日)ですし、60時間以上と答えた人も12.7%いました。これではとても自由な時間に働いている、とはいえない状態ですね。

ちなみに「フリーランスになった年齢」を見てみると、1位が「30歳以上39歳以下(38.9%)」、2位が「40歳以上49歳以下(27.1%)」、3位が「29歳以下(18.8%)」という結果でした。

つまり、技術も人脈も十分に確保したうえでフリーランスに転身していて、会社員以上に働いているにもかかわらず、生活できるだけの収入が得られていない人が多い、ということです。

フリーランスで仕事を取ってくるには、技術よりも人脈が重要

では、フリーランスの人はどのように仕事を取ってくるのでしょうか。同調査の「フリーランスとして仕事を受注する方法(複数回答)」という質問の回答は、以下の通りでした。

  • 1位:知人、同業者からの紹介(55.1%
  • 2位:自らの営業(自分のホームページ・ブログ、チラシの作成・配布、飛び込み営業 等)50.7%
  • 3位:クラウドソーシング(7.8%
  • 4位:通訳・翻訳会社、建設会社、マネジメント会社 等からの紹介(7.3%
  • 5位:公的機関からの紹介(3.6%

この結果を見ると、紹介と営業をメインにして、クラウドソーシングなどは補完的に使っていることがわかります。

さらに、「フリーランスとしての仕事の受注に向けた取組(複数回答)」を見ると、営業以外でも努力が必要なことがわかります。

  • 1位:技術・技能の向上(56.2%
  • 2位:受注に向けた情報収集の強化(30.5%
  • 3位:商品・サービスについての提案力の強化(22.0%
  • 4位:顧客へのアフターサービスの充実(21.3%
  • 5位:同業者との連携(18.1%

飛び込み?それとも紹介?フリーランスが仕事を取る方法

では、仕事を取ってくるには具体的にどうしたらいいのでしょうか。フリーランスならではの営業方法を考えてみたいと思います。

営業で仕事を獲得する4つの方法

営業で仕事を取る方法としては、主に以下のような方法があります。

所属していた会社の先輩や同僚に、仕事がないかどうかを尋ねる

過去に所属していた会社の先輩や同僚に、仕事がないかどうか尋ねるという方法があります。この場合、円満退職していることが条件となりますので、退職するときはくれぐれも揉めないように。先輩や同僚との縁も大切にして、退職後も連絡をこまめに取っておくといいですね。

前職の先輩や同僚なら、あなたの力量もわかっていますし、特徴も理解してくれているでしょうから、スキルだけでなくコミュニケーション上のミスマッチも減ります。また、信頼関係ができている人からの紹介であれば、受注に至る可能性もぐっと高くなります。

求人情報を出している会社に問い合わせる

求人情報を出している会社に問い合わせてみる、というのも一つの手です。求人情報を出しているということは、その分野において人手が足りていないということ。正社員でない雇用形態でも構わないと考えている会社もあるので、当たってみるのはアリです。

仕事に関連する言葉を検索してみる

「どんな分野や事業をしている会社にアプローチすればいいかわからない」という人は、自分の経験業界やスキル、これからやろうとしていることをインターネットで検索してみましょう。関連する企業の情報がわかることはもちろん、自分では思いつかなかった結果がヒットして、視野が広がる可能性もあります。

また、業界のトレンドや最新動向をチェックするのにも役立つので、ぜひこまめに検索をしてみてください。

Web上でアピールする

企業が人を採用する場合、本人の名前を検索をしたりSNSでの投稿を見るというのは有名な話です。これは新卒・中途に限らず、フリーランスを雇用する場合でも同じです。つまり、Web上で上手にアピールできていないと、損をしてしまうということです。

たとえばライターなら、実績を紹介するサイトを作ったり、クラウドソーシング上のプロフィールを丁寧にまとめておくだけでも好印象です。また、デザイナーやエンジニアであれば、クオリティの高さがわかるようなホームページをつくるのもいいでしょう。

ただし、作っただけで満足してはダメです。TwitterFacebookなどのSNSでアピールし、よりたくさんの人に知ってもらうことが大事です。クライアント候補の企業の目に留まり、仕事に繋がることだってあるのですから。

紹介・指名されるようになる5つのポイント

営業が苦手な人は、向こうから依頼が来るように仕向ければいいのです。紹介・指名されるようなテクニックを磨きましょう。

3つのスキルを身につけ、掛け合わせる

スキルの希少価値が高ければ高いほど、指名して仕事を依頼したいという人が増えます。希少価値というと、なんだかとんでもないスキルを持っていないとダメなように感じるかもしれませんが、そういうワケではありません。1つのスキル自体はそれほど驚くようなものではなくても、スキルを複数掛け合わせることで希少価値が高まります。

たとえば、「デザイナー」×「女性向け」×「金融系」という組み合わせはいかがでしょうか。女性向けのデザインができる人はたくさんいます。しかしそこに、金融系という独自の強みをプラスすることで、ほかの人にはない強みになるのです(10人に1人が持っている「ふつうの」スキルでも、3つ掛け合わせれば、1000人に1人しか持っていない「特別な」スキルになるというわけです)。

ちなみに金融の世界は、ゆるすぎてはダメで、ある程度かっちりしたものが求められます。一方で、言葉では難しくてわかりにくいことも多いため、イラストで表現したいというニーズも多い業界です。こうした特性を理解することも、指名されやすくなるポイントです。

あえてface to face(顔を合わせて)で仕事をする

フリーランスのメリットのひとつに、在宅勤務ができることがあります。しかし、家に閉じこもってばかりいるのではなく、あえてface to faceで仕事をすることも時には必要です。

出社してプロジェクトに積極的にかかわっている姿を見せることで、周囲の協力が得られやすくなります。また、顔を知っている人の方が、好意や信頼を持ちやすいため、仕事をやりやすいという側面もあります。移動などは面倒かもしれませんが、できれば週1回〜少なくとも月1回は、顔をあわせる機会を設けておきましょう。

期日、約束をしっかり守る

当たり前のことではありますが、期日や約束をしっかり守ることが重要です。指定された締め切りの日に間に合わないと、先方に迷惑をかけることもあります。約束や期日を守れないと次の仕事を任せようという気にもなりません。

もし万が一、こちらの都合で納期が遅れる場合には、あらかじめ相談しておくといいでしょう。

次回の提案をする

企画や次の施策を考えるのは、なかなかたいへんなもの。新しいことをやりたいとは思っていても、一人では限界があります。

そんなときに、ブレストをできる相手になってもらったり、企画書を提案してもらえれば、たとえ最終的にボツになったとしても、喜ばれます。相手の役に立つにはどうしたらいいのかを考えることが、継続的に仕事をもらえるようになるためのポイントです。

期待以上のアウトプットを出す

継続して仕事をもらうには、期待以上のアウトプットを出す必要があります。クオリティが高いのが一番の理想ですが、それが難しければ「早さ」で勝負することもできます。

指定された期日よりも早く提出することで、相手からのフィードバックをもらったり、クオリティに問題があればアドバイスをもらって軌道修正することもできます。最初から、相手が100%満足できる仕事ができる人はいません。誠実に向き合うことで、相手の求めるクオリティに近づけることができますし、相手も納得してくれます。

いつ、どんなときに交渉すべき?報酬アップのコツ

冒頭でお話した通り、フリーランスで会社員と同水準の報酬を得るのは簡単なことではありません。仕事が軌道に乗ったら少しでもいいので、報酬アップを狙いたいところです。

希望報酬額は必要な金額の1.5倍を伝える

希望の報酬額を聞かれたときは、必要な金額の1.5倍を伝えるようにしましょう。というのも、フリーランスは社会保険料の支払いをはじめとして、さまざまな出費があるためです。

会社で働いていれば、会社で健康保険に加入させてくれますが(会社が保険料の半分を負担してくれています)、フリーランスでは全額自己負担で国民健康保険に加入することになります。

こうした負担が増えることを考えると、生活費として必要な金額の1.5倍程度を伝える必要があります。伝えたとしても要望をそのまま受け入れてもらえるとは限りません。しかし、最初に言った金額を基準に相手も計算しますので、最初に多めに伝えることにはメリットがあります。

1社に集中せず、4社以上と契約をする

プロジェクトは突然、終了してしまうこともあります。たとえば社長の一声でなくなることもありますし、規模を縮小することもあります。ここで1社のみで契約をしていたとすると、すぐに収入が途絶えてしまいます。

そこで少なくとも、4社以上と契約するようにしましょう。複数のプロジェクトを進めるのはたいへんなこともありますが、リスク管理もフリーランスには必要なことです。

報酬アップの3つのコツ

最後に、報酬アップのための3つのコツをご紹介します。

狙い目は決算期

企業の決算期は、稟議が通りやすいタイミングです。予算が余っていたり、早めに言えば契約金額をアップさせることができたりします。

相場を理解してもらう

相手が報酬の相場を理解していないと、報酬アップの交渉も難航してしまいます。提示された報酬があまりに低い場合は、きちんと相場を理解してもらったうえで交渉に臨みましょう。

信頼関係を築いておく

まずは実績を作って、相手に信頼されることが重要です。与えられた報酬の中できちんと仕事をしない限り、報酬アップの交渉をしても断られるだけです。

フリーランスとしてきちんと稼ぐには

フリーランスとして生活していくのは、かなり大変なことです。しかし、会社に頼らず自分の力だけで報酬を得るということで、会社員にはない大きなやりがいを感じることもできます。フリーランスとして成功するために、今できることからコツコツと備えておきましょう。