転職でブランクは不利!を覆すブランク期間・転職活動中の過ごし方


転職で「ブランク」があると不利になるという話を、聞いたことがあると思います。とはいっても、病気などで仕方がない時もありますし、転職活動が上手くいかなければ、前職との間に空白期間ができてしまいます。

ブランクができてしまうことはしょうがないとして、では、どのように伝えれば、採用担当者に悪い印象を与えずに済むのでしょうか?パターン別に考えてみましょう。

転職でブランクがあると不利になる!?

転職エージェントWORKPORTの調査によると、90%以上の採用担当者が「ブランクは不利になる」と答えています。やはり一般的には「転職においてブランクは不利」は間違っていないようです。なお、ブランクの期間は、「半年以上」が不利になるという回答が半数以上を占めています。

ブランク=仕事へのやる気がないと思われてしまう

ではなぜ、ブランクがあると不利になるのでしょうか。理由はいくつかあります。たとえば、「半年も休んでいて、仕事をする気がないのでは?」「半年経って貯金がなくなったから重い腰を上げたのでは?またお金が貯まったらやめるのでは?」など、仕事に取り組む姿勢に疑問を抱かせてしまうからです。

日本ではいまだに、休むことが悪だという風潮があります。個人的には、人それぞれの生き方だとは思いますが、採用担当者であればそうも言ってられません。意欲があって辞めない人材を獲得するには、疑念が少ないほうがいいに決まっています。

なんだかんだいって、健康な人を採用したい

半年も仕事をしていないと「その間、何をしていたの?」という疑問も湧いてきます。ここできちんと理由を伝えないと、「うつ病になったり、精神疾患を患ったりしたのでは?」「健康を損ない、療養していたのでは?」「何かトラブルがあったのでは?」など、余計な心配や不安を感じさせてしまいます。

そうなると次は「再発の可能性」がよぎります。さらに、うつ病になるほど自分を追い詰めてしまう人なら、「考え方に柔軟性がないのでは?」という邪推もしてしまいます。ここまでくると、なかなか採用に踏み切れなくなってしまう、というのはわかりますよね。

ブランクがあると現場の感覚がなくなってしまう

不利になる理由の中でも一番大きいのは、ビジネスの感覚やスキルを取り戻すのに時間がかかって即戦力とならないというもの。いつもは意識していませんが、少し仕事を離れるだけで簡単に忘れてしまうものです。

かくいう筆者も、転職の際に有給消化で2週間休みを取りましたが、転職先で感覚を取り戻すのに時間がかかったのを覚えています。ほかの転職者が「感覚を取り戻すのが大変だった」というのを知ったにもかかわらず、「そんなことはないだろう」と正直に言えば軽視していました。さらに悪いことに、自分に限ってそんなことはないとも思っていたのです。

しかし結果は、たったの2週間ですっかり仕事の感覚を忘れてしまいました。要領よく仕事をするのにどうしたらいいかわからなくなってしまい、取り戻すのに1か月くらいかかったような気がします。

個人差もあると思いますし、休職期間に何をしていたかにもよると思いますが、少しショックでしたね。ちなに筆者は、休職期間中ほとんど勉強やスキル磨きをせずにジムへ行って体を動かしたり、出かけたりして休みを満喫していました。仕事をしていない「ブランク」のときの過ごし方が重要ですね。

ブランクの理由別・面接での答え方

冒頭の調査でのコメントによると、ブランクそのものが不利になるというよりも、ブランク期間に何をしていたかが重要だという採用担当者が多いようです。では、ブランクがある人はどのように面接で答えればいいのでしょうか。

不利にならない理由

たとえば、ブランクの理由自体が不利にならない場合は、採用担当者にきちんと説明をすれば理解を得られることが多いです。

病気やケガで療養していた場合

先ほどは病気で療養していると不利になる可能性もあるとお伝えしましたが、伝え方によります。病気やケガの原因と今の健康状態、そして仕事への影響範囲を伝えましょう。

  • 「~(病名・ケガ)を患い、半年間療養しておりました。現在は~療法により完治しており、仕事に影響はありません」
  • 「~(病名・ケガ)で、半年間入退院を繰り返しながら療養しておりました。現在は、土日に投薬へ行っておりますが、日常生活に影響はなく、仕事を休む必要もありません」
  • 「~(病名・ケガ)で、半年間入院をしておりました。現在も治療は続けており、毎月〇日はお休みをいただく可能性がありますが、日常生活に支障はなく、医師の診断でも仕事をしていいという判断をいただいております」

仕事に影響がある以上、それを伝えないのはマナー違反です。ただ、仕事に影響があると言うと採用担当者の心象が悪くなってしまうのは避けられませんので、医師の判断で仕事に許可が下りていること、日常生活に支障はないことをきちんと伝えましょう。原因について訊かれたときには、自分が話せる範囲で話すのがいいと思いますが、深く話す必要はないでしょう。

なお、採用担当者のほとんどが医療の専門家ではないため、その病気やケガが完治するのにどのくらい時間がかかるか理解していないことがほとんどです。2〜3年かかったと言われると、「それって働いて大丈夫なの?」と思われてしまいますので注意が必要です。

資格取得や留学をしていた場合

資格取得や留学も、率直に伝えれば問題のない理由です。「なぜ留学したのか」「なぜその資格を取ったのか」という理由と、「応募先の企業でどう役に立てられそうなのか」を伝えることで、むしろ好感を持ってもらえる可能性もあります。

  • 「〇〇の専門知識をさらに深め、これまで以上に幅広く仕事に活かしたいと考えたため、〇〇資格取得を目指し、半年間勉強しておりました。御社では~という知識を活かし、××(部署)で働きたいと思っております」
  • 「日本企業の海外展開事業へ携われるだけの英語力を身に着けるため、半年間××(国名)へ留学していました。今後は、御社の〇〇事業の海外展開へ携わりたいと考えております」

もちろん、留学や資格取得をした理由として、合理的な理由を述べることが必要です。まったく関係のない仕事では、逆に悪い印象を与えてしまいます。「公認会計士の資格を取ったから、経理職として」とか「司法書士を取ったからコンプライアンス部門で」など、筋の通った話をしてくださいね。

ただ、あまりに期間が長すぎると「要領よく勉強できないのか」とか「あまり真面目に勉強していなかったのでは」と思われてしまいます。難易度にもよりますが、できれば半年~1年以内には資格取得を目指したいですね。

出産・育児、家族の介護など

ブランクが長くなってしまうことが理解してもらいやすい理由なので、相手にわかりやすい言葉でブランク中に何をしていたかを伝えることが大事です。また、仕事に対する意欲も合わせて伝えましょう。

  • 「出産、育児のため1年のブランクがありますが、仕事に復帰したいと強く思っていたため、子どもが寝てからの時間を~の勉強時間に充てていました」
  • 「家族の介護のため1年半のブランクがありますが、仕事が好きなので戻りたいと思っていました。早く戦力になれるよう、空いた時間で~のスキル向上のため〇〇をしておりました」

仕事が好き、仕事に戻りたいと思っていた、など、仕事へのやる気を伝えることで意欲をアピールできます。また、長いブランクの間も仕事に戻るために何かをしていたという事実はプラスになります。

ブランクの理由が不利になる場合

続いて、ブランクの理由をそのまま伝えると不利になってしまうかもしれない理由の場合です。不利にならない場合以上に、言葉を選んで伝えることが大事です。

特に理由がない場合

仕事がなんとなくいやになって辞めてしまい、転職活動も捗らなかったというケースですね。この場合には、希望の仕事とのマッチングが難しかったことを伝えてください。転職先を見つけるまでに時間がかかったという事実をきちんと明かすことで、誠実な人材だと理解してもらえます。

  • 「自分にとっても転職先企業にとってもプラスになる転職とはどういうものかと考え、慎重に仕事を探していました」
  • 「自分が長く働き続け、会社に成果を還元できる会社を選ぶために慎重に転職活動を行っております」

「Win-Winの関係になりたい」とか「長く働くため」、というような前向きな言葉を入れて、採用担当者の心象を悪くなることはありません。ただ、あまりに長期間だと「なかなか面接で受からなかったんだな」と思われてしまう(能力を疑われてしまう)ため、ブランク期間は半年くらいまでに収めたいところですね。

フリーランスをしていた場合

「組織で働くことがイヤなのでは?」とか「協調性がないのでは?」と思われてしまうこともあります。こうした不安を払拭するためには「チームプレイで成功したケース」を伝えるのがベストです。

  • 「フリーランス時代には〇〇のプロジェクトへ携わり、地域の商工会や地場企業と協力して~の成果を上げました」
  • 「フリーランスとして約20名で結成された〇〇会社のプロジェクトへ携わり、半年以上かけて~の結果を出しました」

フリーランスとして一人で仕事をしていたわけではなく、周りと協力していたのだということがアピールできるといいですね。この場合はブランク期間が長くてもかまいません。ただし、「なぜ一度フリーランスになったのに、また企業で働くの?」と聞かれることは間違いないので、回答はきちんと用意しておきましょう。

専業主婦をしていた場合

ビジネスの感覚を取り戻すのに時間がかかるのでは?と思われてしまうことが多いようです。ここでのポイントは、前職をやめた理由と会社員として復帰したいと思った理由について説明することです。

  • 「配偶者の転勤が多く、結婚と同時に専業主婦になりましたが、今後転勤の可能性がなくなり、もともと仕事が好きだったので働きたいと思い、就職活動をしています」
  • 「配偶者が自営業であったため手伝うことも多く、結婚を機に専業主婦となりました。配偶者の事業も落ち着き、その間に勉強していた〇〇の資格を活かしたくなったため、就職活動をしています」

働くことへの意欲と、専業主婦として過ごしている間も仕事に活かせるような何かをしていた、ということが重要です。専業主婦の期間は長くてもおかしくはないので、3年でも5年でも問題ありません。

【職種別】ブランク期間・転職活動中の有意義な過ごし方

最後に、ブランク期間や転職活動中にも転職活動に有利になるような有意義な過ごし方をご紹介します。

営業、コンサルタント

営業やコンサルタントは他社との競争で受注を勝ち取るため、敵を知ることが重要です。そのため、業界のニュースは必ずチェックしておきましょう。

採用担当者が興味本位で「あれ、〇〇会社の商品って」と話を広げる可能性もあります。そのときに何もかも忘れてしまっていては「本当に真面目に取り組んでいたのか」と疑われてしまいます。また、希望している業界のこともチェックしておかないと、「違う業界からの転職だけど、大丈夫?」と言われたときに太刀打ちできません。

事務、営業アシスタント、経理

事務職や営業アシスタント、経理職などはPCスキルが必須です。Microsoft社のWordExcelPowerPointなどのスキルが衰えないよう、定期的に使うようにしましょう。

特にExcelは、簡単なマクロまで組めると大変重宝されます。もし時間があれば、ぜひ勉強してみてくださいね。Accessも、大きなデータを処理するときに使うことが多いので覚えておきましょう。基本書を読んでおくだけでも感覚が掴めるはずですよ。

システムエンジニア

システムエンジニアの世界は非常に技術の進歩が速く、常に最新のものにアップデートしておかないと、すぐに必要とされなくなってしまいます。ふだんから最新の技術についてはチェックしておき、使えるようにしておきましょう。

デザイナー、Webディレクター

デザイナーやWebディレクターなどのクリエイティブ職は、トレンドを知っておくことが命。業界のトレンドを定期的にチェックしておきましょう。

できるだけ新しい技術書に触れたり、いろいろなWebサイトで関連ページ見るだけでなく、考え方を深めておくことも大切です。もっといいモノを作るためには何が必要かという視点で考えるだけで、やっておかなくてはならないことが見えてくるはずです。

ブランク問題はきちんと説明すればクリアできる

残念ながら、転職でブランクが不利になるというのは事実です。しかし、そのブランク期間に対してきちんとした説明ができ、説得力のある理由が言えれば、採用担当者も「ブランクがある」と言う理由だけで不採用にすることはありません。

意欲と技術・スキルがきちんとあれば、それを見ようとする採用担当者が多いのです。面接で気にしても仕方ありません、堂々と説明できるように事前の準備をしっかりしておきましょう。