最近は、PC、スマホ、タブレット、ゲームなどさまさまなデジタル媒体が溢れていますよね。毎日仕事でPCを眺め、仕事が終わったらスマホを見る、なんていう生活をしている人が多いのではないでしょうか。
そんな生活をしていると、負担がかかってくるのが「目」です。目に疲れを感じたり、目がかすんだり…実はこれ、大きな病気の前触れのことも。そこで今回は、目の疲れや症状、解決策についてご紹介します。
目次
疲れ目?それとも病気?目の症状別セルフチェック
目のトラブルって、私たちが知らないだけで、実はたくさんあるんです。まずは、目の症状別にセルフチェックをしてみましょう。
(1)目の充血
目が充血して真っ赤になってしまう、ということが頻繁にある人も多いのではないでしょうか。真っ赤になっていると、周囲にも心配をかけてしまいますので、早くなんとかしたいですよね。
原因としては、外部から刺激を受けたり、目の使い過ぎによる疲れから、目が充血してしまうようです。
病気:
アレルギー性結膜炎や花粉症、ドライアイやぶどう膜炎などの病気で目が充血することがあるようです。目はとても繊細なので異常を感じたらすぐに眼科へ行きましょう。
対策:
目にほこりやゴミが入ったときは自然に涙で流れることも多いですが、瞼の裏側に入り込むことも多く、なかなか自力で取れないことも。目を傷つけることがあるので、早めに眼科を受診しましょう。
また、コンタクトの使い方次第では目に大きなダメージを与えます。コンタクトをつけたまま眠ってしまったり、目をこすったりしないようにしてください。紫外線の影響も侮れないので、サングラスなどで自衛することが大事です。
(2)目が乾く
目の渇きってとてもつらいですよね。まばたきをしたり、何度も目薬をさしてもなかなか解消されないときは、どうしたらいいのでしょうか。
原因:
冬場やエアコンの使用で空気が乾燥していたり、長時間のPC操作、テレビ視聴などで夢中になり瞬きが減少している、コンタクトの汚れなどが考えられます。
病気:
涙の量が少なくなってしまうドライアイという病気の可能性があります。ドライアイになると、目がごろごろしたり目が疲れやすくなったりしてしまううえに、目が乾きやすくなって目の表面に傷がつきやすくなります。
対策:
エアコンに当たりすぎない、湿度を上げる、瞬きが減らないように意識すること。瞬きの回数が少ないと、どうしても目が乾きやすくなってしまいます。
実は筆者も、ドライアイに悩んでいたことがあります。コンタクトが汚れやすくなって目がごろごろするので、ダメだとわかっていながらも目をこすってしまい、コンタクトがポロっと取れてしまうことも。目の表面が傷ついてしまい、眼科でとろみのある目薬を処方されたことがありました。
(3)目の痛み、異物感
目の痛みや異物感については、いろいろな原因が考えられます。単純にゴミが入っただけというのではない可能性もあります。
原因:
目にゴミが入った、コンタクトの装着が適切でない、目が炎症を起こしているなどの可能性があります。
病気:
まぶたの腫れ・痛み・異物感は「ものもらい」の可能性があります。まぶたの縁に細菌が入り込んで引き起こされる病気のため、眼科で細菌の増殖を抑える薬を処方してもらいましょう。
対策:
目にゴミが入ったときは、目の洗浄液などで洗い流しましょう。コンタクトについても、コンタクトを洗浄したり手を洗って装着しなおしたりすることで解消される場合がありますよね。ただ、炎症の場合や目の表面に傷がついている場合には重症化する恐れもあるので、眼科へ行くことをお勧めします。
(4)目がかすむ
目がかすんで、モノがぼやけて見えるというと「老眼!?」なんて思ってしまいますが、これもさまざまな要因があります。
原因:
目の疲れ、休息不足、目のピント調整機能が低下していることが考えられます。
病気:
目のかすみは、病気の可能性も大いにある注意が必要な症状です。たとえば、目の中の水晶体が加齢によって濁ってしまい、見えづらくなってしまう白内障という病気。よく耳にしますよね。
また、視神経に障害が起きて、視野が狭くなってしまう緑内障という病気の可能性もあります。少しずつ視野が狭くなっていき、治療が遅れると失明する可能性もある重大な病気です。中高年の方に発症しやすい病気のひとつなので、定期的な検診を心がけてくださいね。
対策:
対策としては、十分に目を休ませながら作業をすることで改善することがあります。ただし、病気の初期症状の可能性もありますので、早めの受診をおすすめします。
(5)目のかゆみ
日常生活の中で目のかゆみを感じることは、けっこう多いのではないでしょうか。では、目のかゆみはいったいどうして起こるのでしょうか。
原因:
アレルギーやウイルスの感染、ハウスダストなどが主な原因となります。
病気:
アレルギー性結膜炎、ウイルス感染、花粉症などの可能性があります。
対策:
花粉症は、花粉用眼鏡を使ったり、目の洗浄液を使ったりして対策するのが一番なようです。また、アレルギーの場合はアレルゲンに近づかないことが一番なので、もしアレルゲンに心当たりがない人は検査をしておきましょう。
(6)目やにがでる
目やにが出てしまうというのも気になる症状ですよね。正常な目やにもありますが、病気の可能性もあります。
原因:
基本的には問題のない、代謝による目やにが多いです。古くなった角質や老廃物を目やにが排除してくれます。ただ一方で、細菌性・ウイルス性の目やにやアレルギーによる目やにの可能性もあります。
病気:
白く粘りのある目やにや、黄緑色の目やには細菌性・ウイルス性の目やにの可能性があります。
対策:
目やにが出てきたときには、清潔なコットンやティッシュなどでふき取り、続くようなら病院で診察を受けてくださいね。
※参考:参天製薬「目の情報ポータル」
目の疲れの原因と対策
現代人は、目が疲れやすくなっています。原因を知って、しっかり対策を立てておきましょう。
(1)パソコン・ビデオゲーム
パソコンやスマホを日常的に使い、趣味はゲーム…となると、ほぼ毎日、かなりの長時間にわたって、画面を見続けていることになります。ブルーライトの光が目によくないということは知られていますが、悪影響はそれだけではありません。
たとえば、パソコンを使っているときの自分の姿勢を見てみてください。パソコンやゲームに夢中になりすぎると、姿勢が悪くなり、つい画面に近づいてしまいがちです。また、自然とまばたきの回数も減ってしまって目がかすんだり、ドライアイになったりする原因に。さらに、近くを見すぎることでピント調節機能が低下し、視界がぼやけることもあるようです。
対策としては、こまめに目を休ませることが一番です。ちょっと目を閉じてみたり、遠くを見るようにしてください。また、意識的にまばたきするのも有効です。
ただし、目が乾いてきたら、無理に瞬きを繰り返さず、目薬をさしましょう。また、作業後にはあたたかいアイマスクをしてみたり、目のストレッチをしてもいいでしょう。目の疲れが取れるのが実感できると思いますよ。
(2)偏食
目が疲れやすい原因は、画面の見すぎだけではないようです。実は食生活が大きく関係していることを、ご存知でしょうか? この項目では、目に必要な成分と、効率的に摂取できる食材をご紹介いたします。
ビタミンB
目の疲れは筋肉の疲れです。そこで、筋肉の疲れを和らげるはたらきを持つ、ビタミンBを積極的にとるようにしましょう。なおビタミンBの役割には、視神経の働きや粘膜の生成を助ける働きもあります。
ビタミンBが多く含まれる食材:
- ビタミンB1:うなぎやナッツ類
- ビタミンB2:豚・鶏・牛のレバー、牛乳
- ビタミンB6:まぐろ、かつお、バナナ
ビタミンC
目の水晶体にはビタミンCが多く含まれており、水晶体の透明度を保ったり、目をリフレッシュさせる効果もあります。普段からビタミンCが不足している人は、水晶体のビタミンC含有量が少なくなっている可能性があるので補ってあげる必要があります。
ビタミンCが多く含まれる食材:
いちご、ブロッコリー、小松菜、アセロラ、赤ピーマン 、菜の花、キウイ、芽キャベツ
※緑茶やいも類にも多く含まれています。
ビタミンA
目には光を感じる細胞がありますが、そこで一役買っているのがビタミンA。ビタミンAが不足すると、明るさを感じづらくなってしまいます。また、涙の量を調整する昨日もあります。
ビタミンAが多く含まれる食材:
にんじん、マーガリン、小松菜、豚肉、スモークレバー、あんこうの肝など
ビタミンD
ビタミンDは、ビタミンAの吸収・働きを助ける役割があります。また、カルシウムの吸収を助ける働きもしますので、ぜひ積極的に摂取するようにしましょう。
ビタミンDが多く含まれる食材:
サケ、サンマ、キノコ類、きくらげなど
※きのこ類は、干ししいたけのように日の光を浴びたもののほうがビタミンDを多く含んでいるようです。
ビタミンE
老化予防の栄養素としてよく知られるビタミンE。血行を促進する役割があります。もし可能なら、ナッツ類をおやつにするのもおすすめです。腹持ちがよく、ミネラルも豊富で女性のおやつにはもってこい。ただしカロリーが高いので要注意です。
ビタミンEが多く含まれる食材:
たらこ、ナッツ類(落花生・くるみ・ヘーゼルナッツなど)、かぼちゃ、うなぎ、ハマチ
ルテイン
色彩を感じる細胞が多く存在する黄斑部には、たくさんのルテインが必要です。強い抗酸化作用を持ち、肌にもいいといわれています。
ルテインが多く含まれる食材:
ほうれん草、ブロッコリー、カボチャ、パセリ、ケールなど
※参考:武田コンシューマーヘルスケア株式会社「タケダ健康サイト」、武田コンシューマーヘルスケア株式会社「疲れの原因とアドバイス 目の疲れ」
(3)睡眠不足・ストレス
意外かもしれませんが、睡眠不足やストレスで、目の疲れを感じることもあります。ストレスで筋肉が緊張するとはよく言われますが、目の周りの筋肉も同じだからです。筋肉が緊張し、血流が悪くなることで疲れを感じてしまうのです。
また、睡眠不足でも目の疲れを感じることがあります。睡眠をとることで、いったん目を休めることができ、目の疲れをリセットするという効果があります。しかし、パソコンやスマホなどで目を酷使している現代人は、睡眠で目の疲れを解消しきれなくなってしまっています。そんな状況の中でさらに睡眠不足が進むと、さらに目にの疲れが蓄積してしまいます。
早く寝ること、そして十分な休息をとることで、目を休ませ、ストレスの解消をすることができます。そのためには、寝る前にスマホやパソコンなどの光を見ないこと。パソコンやスマホが発するブルーライトが人間の体を起こしてしまい、眠れなくなってしまう上に眠りも浅くなってしまいますので、寝る1時間前からは電源を切っておくようにしましょう。
※参考:武田コンシューマーヘルスケア株式会社「タケダ健康サイト」
体の疲れは目の疲れが原因?疲れ目を放っておくとどうなる?
疲れた状態で目を放っておくと、目だけでなく全身にも影響が出てしまいます。疲れ目を放置することで、全身の筋肉が緊張し、血行不良に陥ります。さらに、肩や首の筋肉が凝り、頭痛や吐き気にまで至ることもあります。
そこまで放っておくと、眼精疲労へ変わり、やがて全身のひどい倦怠感、さらには気持ちの落ち込み、軽いうつ症状にまで発展する可能性もあります。そうなってしまうと治療も大変になりますし、何より自分がつらいので、早めに受診して治療するようにしてください。
目の疲れを放置しておくのはダメ!
「いつものことだから…」と、目の疲れを決して甘く見てはいけません。仕事に夢中になるのはいいことですが、こまめに目薬を差したり、体を動かしたり、目を休ませる休憩を1時間ごとに取るようにして、症状が重症化する前に早めに手を打つようにしましょう。