自分大好きゆとり世代と無関心なさとり世代〜お金の使い方はどう違う?


世代によってさまざまな違いが垣間見えるが、お金の使い方です。中でも、今の12歳〜27歳にあたる「ゆとり世代」と「さとり世代」は、これまでとちょっと違う傾向が見られます。

そこで今回は、「ゆとり世代」と「さとり世代」のお金の使い方について、解説していきたいと思います。

まずは、各世代の特徴をチェックしよう

ゆとり世代・さとり世代以外の世代では、どのようなお金の使い方をしていたのでしょうか?まずは、世代別の特徴とお金に対する意識をチェックしていきましょう。

ポスト団塊ジュニア世代

一般的に1975年から1984年までに生まれた世代で、2018年時点だと34〜43歳に当たります。高校生の頃からケータイに親しんでおり、この上の世代と比べるとパソコンやスマホなどのデジタルツールを使いなれています。

一方、親の影響もあって、まだまだ「団塊世代」や「団塊ジュニア世代」からの影響を強く受けている人が多く、古きよき“昭和的”な考え方を持つ人もいます。

ちなみに、「ポスト団塊ジュニア世代」の2017年の平均年収は455万円~541万円。日本が経済大国としての地位を謳歌していた時代に幼少期を過ごしていたことからか、「モノ」を消費することが好きな人が多い傾向にあります。

ミニマムライフ世代

一部がポスト団塊世代と重なる1980年から1988年に生まれた世代で、2018年時点では30〜38歳。バブル崩壊や阪神淡路大震災、就職氷河期を経験している受難の世代でもあります。

お金の使い方に関しては、リスクをより大きく見積もる傾向があるため、必要最低限のモノだけを消費し、将来へ貯蓄することが特徴です。2017年の平均年収は455万円。社会人になるタイミングで終身雇用制度が崩壊し、非正規雇用も増加したことから、一定の生活水準を保つことに対するこだわりが強いです。

ゆとり世代

2002年に制定された「ゆとり教育」という新しい学習指導要領による教育を受けた世代。1987年から2004年生まれで、2018年時点では24〜31歳になっています。

この世代に共通しているのは、①幼いころからネットやデジタル技術がある程度発達した環境に身を置いていること、そして、②好景気な時代をほとんど知らないため、堅実かつ安定した生活を求めること。流行に左右されず、実用性のあるものを選ぶという消費傾向を持っています。加えて、リーマンショック後に就職しているため、昇給や賞与がないことも多く、自由に使えるお金が少ないというのも消費をしない大きな理由になっているようです。

さとり世代

ゆとり世代と同世代で、1987年から2004年生まれの人が該当します。さとり=「悟り」のことであり、若くしてあらゆる物事を悟ってしまったかのように「物欲がない」、「恋愛に興味がない」といった特徴があります。

というのも、幼いころからネットが普及しており大人の世界を早くから知ってしまうことからか、大きな夢を持ったり、高望みするのを、誰に言われるまでもなく控えてしまう傾向にあります。また、無駄な努力や衝突を避けるのも「さとり世代」の特徴といえます。

“無駄を嫌う”という傾向は、お金への意識にも影響しており、趣味や娯楽に出費するのも消極的です。

ゆとり世代のお金に対する価値観と消費傾向

それでは次に、ゆとり世代のお金に対する価値観と消費傾向について考えてみましょう。

ゆとり世代の特徴

とにかく安定志向の強い「ゆとり世代」。その一方で、日本の雇用システムは大きく変わり、正規雇用が減少したため、終身雇用さえ望むことができなくなりました。これらの影響から、彼等の“安定した生活”への欲求が強まったとされています。また、収入を安定させるため、自身のスキルアップに積極的な傾向もあります。

ネットの世界だけでなく現実の世界でも「ゆとり」と揶揄されることが多い世代ですが、そのコンプレックスを払拭するかのように、社会人になってからも学び続ける意欲を持っている人が多いです。

また、ゆとり教育の効果として、「自分だけにできること」や、「やりたいことを追求する」といった、個性を大切にしようとする傾向が強いことも大きな特徴です。

ゆとり世代のお金に対する価値観

ほかの世代(特にポスト団塊ジュニア世代以上)に比べ、お金への執着はそれほど強くありません。お金とはあくまで、安定した生活を実現するために必要なツール、あるいは手段として考えている人が多いようです。

できるだけ多く稼いで贅沢な暮らしたいのではなく、一定の収入を得て安定した生活をしたいという指向性があり、あらゆる物事にお金以上の価値を見出そうとするのも、ゆとり世代ならではの特徴です。

ゆとり世代の消費傾向

消費を極端に控えるわけではありませんが、趣味や娯楽、特に「モノ」を消費することに対しては、興味がありません。

一方で、QOL(Quality of Life:物質面・精神面を含めた生活の豊かさ)の向上や、自身のステップアップのためには、消費を惜しまない傾向にあります。「モノ」から「コト」に消費傾向が変わったのも、この世代が消費の中心になってきてからです。

なお、この時代から非正規雇用が増加していることから、安定指向はあるものの、あまり貯蓄ができていないという人も多いようです。

さとり世代のお金に対する価値観と消費傾向

一方でさとり世代は、お金に対してどのような価値観を持ち、どのような消費傾向があるのでしょうか? ゆとり世代と同じように見ていきたいと思います。

さとり世代の特徴

ゆとり世代と同じ環境で育っていますので、生活スタイルやお金の使い方には似た傾向があります。最大の違いは、あらゆる点において「諦め」にも似た感情を抱きやすいということ。子どものころからインターネットが普及していたことから、子どもが知らなくてもいい「現実」をいとも簡単に知れたのが大きいといわれています。

実際は、物事を知った上で冷静に分析しているわけですが、“悟り”という名称から、悲観的かつネガティブになっている印象を持たれたがちです。本人は「無駄なことをしないだけ」と考えていますが、他人からすれば、無気力に見えてしまうこともあります。

さとり世代のお金への価値観

物欲をはじめとする欲求が薄いため、お金への執着心はほとんどありません。危機的な状況に置かれた日本経済の中で育った世代のため、お金を稼ぐことや消費すること自体に、まったく価値を見出せないという人も多いようです。

さとり世代の消費傾向

消費に対しても淡泊な傾向がみられます。無駄な出費を抑えるというよりも、そもそも“出費する必要性を感じない”という点が大きな特徴です。かつては「人生を豊かにするため」であったり「生きがい」として重視されてきた、趣味や娯楽への出費にも消極的です。

「ゆとり世代」と「さとり世代」のお金の使い方の違い

上記のポイントを踏まえた上で、両世代のお金の使い方に対する違いについてまとめてみたいと思います。

いずれにしても消費は減少傾向

「ゆとり世代」の場合、消費とは「生活や個性を守るために必要なもの」と考える傾向にあるようです。そのため、お金を使って贅沢な生活をしようとはつゆほども考えていません。しかしだからといって、ミニマムライフ世代のように貯蓄するわけでもなく、金銭面に関してはやや楽天的な人が多いです。

「さとり世代」も消費に対して消極的であるものの、欲求が少ないため消費の必要性すら感じていないことが、ゆとり世代との大きな違いです。

個性的で楽天的な「ゆとり世代」と無理を嫌う「さとり世代」

個性的かつ楽観的な「さとり世代」に対して、無理をしないことが前提にある「さとり世代」。それぞれの特徴は消費にも直結しています。

「ゆとり世代」は、お金はあくまで個性を発揮したり、自分を磨くために使うものという考えが強いです。ですので、お金そのものに価値を見出すことはほとんどありません。これは少子化が進み、一昔前に比べて一人っ子が多くなったため、大事に育てられたことによるプライドの高さが影響しているともいわれています。

一方で「さとり世代」は、世間や人生を最初から諦めているような傾向があり、その考え方自体がお金の使い方に影響しています。たとえば何か欲しいものがあったとしても、「無理をするくらいなら諦めてしまった方がいい……」と考え、無理をしてまで手に入れようとはしません。

「ゆとり世代」に比べ、お金がなければ満たせない欲求そのものが薄く、いい意味でも悪い意味でも諦めている「さとり世代」。両世代のお金に対する価値観の違いは、根本的な欲求部分にあるといえるでしょう。

未来に向けて、今、あなたができること

各世代による金銭的価値観の違いや、消費傾向などを知ると、自身が抱えているお金の問題を解決するヒントに繋がるかもしれません。特に、10後半から20代後半を中心とする「ゆとり世代」と「さとり世代」は、貯蓄に関して楽観的になりやすいため要注意。毎月1万円ずつでも構わないので、自分のペースでコツコツとお金を貯めていきましょう。

同様に、「ポスト団塊ジュニア世代」をはじめとする30代以降の人たちも、定年後に豊かな生活を送るための備えはしておくべきです。趣味や娯楽も大切ですが、それは安定した暮らしがある上での話。将来的なリスクを踏まえ、今できることから始めてみてください。