終身保険

終身保険の解約返戻金について

本記事では終身保険の解約返戻金について焦点を当て、解約返戻金と保険料の関係、仕組みなどをわかりやすく解説しています。

保険金と解約返戻金

終身保険は掛け捨てではないので、解約した場合、経過期間に応じてある程度のお金が戻ってきます。これを「解約返戻金」と呼びます。

死亡保険金と解約返戻金。

保険会社が払うお金という点は共通していますが、両者の意味合いはまったく違います。

保険金はどのタイミングで死亡しても、同じ金額が支払われます。たとえば、500万円の終身保険に入っていたとするなら、加入から2年目であろうが50年後であろうが、満額の500万円を受け取れるわけです。

一方、解約返戻金は解約するタイミングによって金額が変わります。ざっくりいってしまうと、保険料で積み立てていたお金を戻してもらうといった感覚です。こちらは払い込んだ保険料を下回る金額になります。

下回る? 貯蓄型なのに、掛け捨て部分があるってこと?

首を傾げた人もいるかもしれませんね。

でも、保険会社は保障を提供するために、会社を運営していかなければなりません。人件費もかかりますし、宣伝費用だって必要でしょう。こうした必要経費にも保険料が充てられているのです。それに、終身保険は単なる貯蓄ではなく、死亡保障がついています。その保障を買っているのですから、そこにコストが発生することを忘れずに、保険の仕組みを考えることが重要です。

どのくらい戻ってくるの?

解約返戻金は加入期間が経過するにつれて、だんだん増えていきます。

といっても、払い込んだ保険料と解約返戻金の割合は一定ではなく、年数に応じて変化します。

はじめのうちは掛け捨て部分が大きく、解約返戻金はかなり少額になります。「有期払」(60歳や65歳といったある年齢で払い込みを終える方法)の場合は、払い込んだ保険料合計と解約返戻金の差額は徐々に縮まっていき、トントンに近い金額に達するのは保険料の払い込みが終わるころです。

終身保険は一生涯の保障で、保険料を払い終わったあとも保障は続きます。

では、解約返戻金はどうなるのでしょうか。

60歳で保険料を払い終えた。定年後も再雇用で働いていたものの、65歳でリタイアする。老後資金の足しにしたいけれど、いまさら解約をして解約返戻金ってもらえるのかなあ。

そんな疑問も湧いてきます。大丈夫。保障があるということは、あなたは保険に加入中であるということ。保障が続いている限り、解約返戻金も受け取ることができます。

保険料を払い終わったあとも解約返戻金は増える

保険料の払い込みが終われば、あなたはもう保険会社に何も支払う必要はありません。ところが、解約返戻金はその後も増え続けます。終身保険は保障機能と貯蓄機能を備えており、解約返戻金は貯蓄部分に当たります。その貯蓄部分は予定利率によって運用されているので、年数の経過に応じて増えていくわけです。

予定利率とは、保険会社がこの利率で保険料のうち貯蓄部分を運用しますよと契約者に約束する数字を指し、契約当初の経済環境によって定められています。銀行でいう金利のようなものだと考えればいいでしょう。解約するまで運用は続けられます。したがって、予定利率の高い保険なら、タイミングしだいで解約返戻金が払い込んだ保険料を上回る可能性もあります。

もっとも、世の中は非常に低金利の時代ですから、現時点では、予定利率も1%前後と低めに設定されています。よって、びっくりするほど増えるという結果にはならないでしょう。

一部の保険会社の商品には、この予定利率を途中で見直していくタイプもありますが、一般的な終身保険の予定利率は、契約時に決めらた数字が最後まで維持されます。超長期の固定金利だと覚えておきましょう。

低解約返戻金型終身保険とは

ところで、終身保険には通常タイプのほか、「低解約返戻金型終身保険」もあります。死亡に関する保障はどちらも同じですし、解約すれば解約返戻金が出るところも一緒です。ただし、低解約返戻金型終身保険の場合、保険料払い込み期間中の解約返戻金が通常の70パーセントに抑えられています。保険料の払い込みが終われば、解約返戻金は通常に戻るしくみです。つまり、保険料を払っている間に解約すると大きく元本割れしてしまうのです。とはいえ、これはデメリットともいい切れません。解約返戻金が抑えられている分、保険料は通常タイプより割安になっています。そこに魅力を感じてか、最近は低解約返戻金型終身保険の人気が高まっているようです。

60歳や65歳で払い込みを完了したあと解約をし、解約返戻金を老後資金や介護資金に充ててもいいでしょう。また、払い込みを15年など短い期間に設定して、子どもの学費に回すパターンも増えています。

終身保険は死亡を保障する保険ですが、解約をしたときには解約返戻金が戻ってきます。解約返戻金は自分が払った保険料を積み立てていくイメージで、年数を経るごとに徐々に増えます。低解約返戻金型は保険料払い込み期間中の解約返戻金が通常の70パーセントになるかわりに、保険料が抑えられています。終身保険は、解約返戻金の水準をよく理解して選ぶと後悔することはなくなるでしょう。

メディケア生命 新メディフットエース
  • この記事を書いた人

矢野 康介

ファイナンシャルプランナー、トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)。大学卒業後、日本生命保険相互会社に新卒入社。法人営業として、一部上場の建築会社及び製薬会社を担当。その後、外資系生命保険会社にて保険事務、コールセンターの統括業務を経験。保険業界での経験は約20年にわたる。コのほけん!の「保険をやさしく、わかりやすく」多くの読者に伝えたい想いに共感しコのほけん!マガジンにて執筆を開始。

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