定期保険

【FP監修】定期保険のしくみ

安い保険料で大きな保障

定期保険は死亡保険のひとつです。保険期間中に被保険者が死亡したり、保険会社が定めた高度障害状態になったときに、保険金が支払われます。

「定期」という言葉が定期預金を連想させるせいか、お金が貯まっていくと勘違いしてしまう人もいるようです。しかし、この「定期」というのは、保障期間が「一定期間」を指しています。なので、ほとんどの定期保険はその一定期間中、何事もなければ保険金の受取はゼロ。基本的に貯蓄機能はありませんし、掛け捨て型です。

もっとも、その分貯蓄型に比べて保険料が安く抑えられています。割安な保険料で大きな保障を得られることが定期保険のポイントです。また、年齢が若いほど、保険料は安くなります。

掛け捨て型は損?

でも、いくら安くても保険料を払うだけって、なんだかもったいない気がするなあ

こんな声をよく聞きますが、本当にそうでしょうか。
貯蓄と定期保険を比較してみると、わかりやすいと思います。

Aさんは1000万円の定期保険に入ったとします。かたやBさんは1000万円を目標に、Aさんの保険料と同額を毎月貯めていくことにしました。

貯蓄はコツコツと積み上げていくもので、目標に達するまでには時間がかかります。貯め始めた直後にBさんが死亡したら、蓄えはわずかな額にしかなっていません。

一方、定期保険は契約が成立した瞬間から保障がスタートします。加入後、間もなくAさんに万一のことがあったとしても、1000万円を受け取れます。そして、保険期間中は同じ保障がずっと続きます。

どうですか。安心感の差は一目瞭然ですね。

定期保険はとにかく保障を重視した商品。元気でいれば保険のお世話になることがないため、保障の存在は実感しにくいかもしれません。けれど、保険料を無駄に払っているわけではなく、この保障という多大な安心感を買っているのです。

保障は一定期間

ところで、死亡保険は終身か期限つきかで大きく内容が異なります。終身保険は、死亡保障が一生続くので、いつかは受け取れるという意味で貯蓄代わりにもなりますが、定期保険は保障期間が一定期間で終わります。

つまり、定期保険は10年や15年、あるいは60歳までのように一定期間を保障します。人生の中で手厚い保障が必要な時期に絞って加入するイメージです。たとえば、幼い子どもがいる家庭では先々にかかる費用も多くなり、大きな保障を用意したいでしょう。そんなときこそ定期保険が役に立ちます。保険料の負担は軽いにもかかわらず、何千万円という保障を得られるのですから。これは家計にとっても助かりますね。

加入の際には、保険期間の見極めが大事です。とはいえ、一律に「これがベスト!」という答えはありません。なぜなら、それぞれの家庭の状況や収入や資産状況、そして考え方しだいで、いつまで保障が必要かは変わってくるからです。

最も一般的な考え方は、子どもの年齢を基準にして期間を決めるというもの。子どもにかかる学費は、大学に入学する時期がいちばん大きくなるといいます。そこで、子どもが学校を卒業するまでを保険期間に設定するわけです。

あるいは、配偶者が年金を受給できる年齢になるまでを保険期間にするという考え方もあります。とくに年齢差がある夫婦の場合、パートナーが自分の年金をもらうまでにずいぶんと間が空くかもしれません。そうした収入の空白期間を埋めるために、保険金を充てるのです。

どういう目的で加入するかをはっきりさせ、適切な保険期間を決めていきましょう。

さまざまなシチュエーションで使える

いつからいつまでと期間を区切り、その間に死亡したら○万円を受け取れる。定期保険のしくみはシンプルで、幅広い層が活用できる使い勝手のいい保険です。

子育て中の家庭はもとより、子どものいない共稼ぎ夫婦にも向いています。

共稼ぎなら、片方がいなくなったって困らないでしょう?

と思いますよね。

たしかに、すぐさま生活が破綻することはないでしょう。それでも、2人暮らしが1人暮らしになったからといって、生活費まで半分にはなりません。いままで2人の収入を合わせてやってきたものが1人分欠けてしまうのですから、暮らしに影響は出るはずです。

また、見落としがちなのが専業主婦の保障。

そもそも収入のない専業主婦に死亡保障は必要なのか、と疑問を抱く人は少なくありません。一見すると、経済的なダメージは少ないように見えます。でも、掃除、洗濯、炊事、買い物、子どもの世話……と、専業主婦は家庭の中で大奮闘しています。その労働を賃金計算してみると、年収およそ300万円に相当するとか。さらに、子どもが小さければ、保育園に預ける、ベビーシッターを頼むなど、それまでにはなかった出費が必要になることも多いでしょう。妻を失うことで、支出が膨らむだけでなく、子供のお迎えなどで夫の仕事の時間も減らさざるを得ず、収入がダウンする例もあります。意外にも深刻な痛手につながるのに気づかれた方も多いでしょう。

こうした専業主婦の万一に備えたいときも、子供が大きくなるまでの定期保険を活用する方法があります。もちろん終身保険でもいいのですが、死亡保障のみを重視するなら定期保険のほうが保険料の負担が軽くなります。

  • この記事を書いた人

矢野 康介

ファイナンシャルプランナー、トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)。大学卒業後、日本生命保険相互会社に新卒入社。法人営業として、一部上場の建築会社及び製薬会社を担当。その後、外資系生命保険会社にて保険事務、コールセンターの統括業務を経験。保険業界での経験は約20年にわたる。ドーナツの「保険をやさしく、わかりやすく」多くの読者に伝えたい想いに共感しドーナツ・マガジンにて執筆を開始。

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