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期間:2020/4/1 ~ 2020/6/30

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介護・認知症保険とは? about

「健康寿命」という言葉を聞いたことはありますか?実は男性は約9年間、女性は約12年不健康な時期を過ごしています。これはどういう意味でしょうか。

2016年の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳です。ところが同じ年の健康寿命を見ると、男性は72.14歳、女性は74.79歳※となっています。平均寿命と健康寿命の差は、男性は8.84年、女性は12.35年です。

※出典:厚生労働省「第11回健康日本21第二次推進専門員会資料」

介護を必要とする状態となったら、経済的な心配も出てきます。こんなときに役に立つのが、民間の介護保険です。

民間の介護保険は、要介護状態になると年金や一時金を受け取ることができます。また、介護保険のなかには、経済的な負担が大きくなるとされる認知症に特化した認知症保険もあります。

目次

1. 介護保険とは?

(1)公的介護保険制度と民間介護保険の違い

公的介護保険と民間介護保険の違いは、

・加入義務

・加入年齢

・支給条件

・支給方法

など数多くあります。

介護状態にある人が対象であることは共通ですが、保険料の徴収方法、給付方法などは大きく異なりますので、まずは主な違いについてご紹介します。

公的介護保険

加入義務 強制加入(40歳以上)
加入年齢

  • 65歳以上(第1号被保険者)
  • 40〜64歳(第2号被保険者)
支給条件
  • 65歳以上:所定の要支援状態・要介護状態
  • 40〜64歳:老化が原因(特定疾病)による要支援・要介護状態
支給方法 現物支給(介護サービス費用の8割・9割給付)
保険料 健康保険料と同時に徴収
※協会けんぽ・令和2年度介護保険料率は労使計で1.79%

所得控除 保険料は全額、社会保険料控除
保険者 市区町村

民間の介護保険

加入義務 任意加入
加入年齢 保険会社によって異なる
※40歳未満でも加入可
支給条件 保険会社によって異なる(公的介護保険と連動する、保険会社の独自の基準など)
支給方法 現金支給(一時金・年金)
保険料 加入内容により保険料が決まる
所得控除 最大4万円まで介護医療保険料控除
保険者 生命保険会社

保険マメ知識

民間介護保険(みんかんかいごほけん)
公的介護保険料は、自己負担だけでなく税金や企業負担分もあり、社会全体で要介護者を支える制度であるのに対し、民間介護保険は自分で保険料を支払い保険料に見合う保障を受ける自助努力の保険。

(2)民間の介護保険の加入率

生命保険文化センターの調査によると、民間の介護保険の加入率(介護特約付加を含む)は12.3%です。

介護保険の加入率は年々増加しており、平成13年から令和元年までの18年間で、4.1%から12.3%まで約3倍となりました。

しかし、民間の介護保険の加入率が増加してるとはいえ、死亡保険の加入率63.1%を大幅に下回っています。

生命保険文化センターの同調査で、万一の場合の遺族の生活に67.6%の人が不安を感じているのに対し、自分の介護に不安を感じている人の割合は88.8%にのぼります。

つまり、死亡保険と比較した場合、多くの人が介護に不安を感じていても民間の介護保険に加入していないということになります。

民間の介護保険の加入率が低い理由に、以下が考えられます。

・公的介護保険を頼りにしている

・保険料を支払う経済的余裕がない

・民間の介護保険について知識がない

・どのような介護保障を準備すればいいかわからない

公的介護保険について、生命保険文化センターの同調査では、公的介護保険で介護費用が「まかなえると思う」人は11.0%に対し、

自助努力で準備していくよりは、今より高い保険料や税金を払ってでも公的介護保険を充実してもらいたい

と考える人が46.8%を占めています。

「現在の公的介護保険では不安だが国に制度を充実してほしい」という考え方の人が多い(または自助努力する余裕のない人が多い)ことが、民間の加入率の低さにつながっている一面も否定できません。

また、今後の介護への備えとして考えている方法として、多い順に

1位 公的介護保険 73.6%
2位 預貯金 63.5%
3位 公的年金 60.9%
4位 生命保険 31.0%

という調査結果となりました。

民間の介護保険を使って介護に備える、という意識が低いことがわかります。

(3)介護・認知症保険のメリット・デメリット

介護保険のメリット

1. 公的介護保険制度の自己負担部分をカバーすることができる

2. 公的介護保険制度よりも保障対象となる年齢の幅が広い

3. 生命保険料控除で所得税と住民税を減税できる

4. 保険会社所定の介護状態が続く限り、保険料払込免除となる場合がある

民間の介護保険の最大のメリットは、公的介護保険よりも保障対象となる年齢の幅が広いことです。

公的介護保険の保障対象となる年齢について注意すべき点は、下記の2つです。

・40歳未満の人は、介護保険の対象外である

・40歳以上65歳未満の人は、老化に伴う特定の病気(※特定疾病)によって要支援状態・要介護状態になった場合にしか、公的介護保険の対象にならない

保険マメ知識

特定疾病(とくていしっぺい)
初老期における認知症(アルツハイマー病、脳血管性認知症等)、脳血管疾患(脳出血、脳梗塞等)、関節リウマチ、骨折を伴う骨粗しょう症、パーキンソン病関連疾患、早老症(ウェルナー症候群)など。

現在、公的介護保険の対象となっている人は70代・80代以上の人が圧倒的に多いですが、介護が必要となった原因を見ると、40歳未満・65歳未満の人も決して安心できません。

交通事故やケガ、糖尿病など公的介護保険の対象とならない場合、民間の介護保険に未加入ならば介護にかかる費用は自己負担となります。

また、事故で一生涯半身不随になった場合など年齢が若い分、かえって要介護期間が長くなるリスクもありますので、65歳未満の人が介護保険に加入することは「一定の保障を確保する」というメリットがあります。

介護保険のデメリット

1. 保険料の負担する必要がある

2. 介護認定が保険会社独自基準の場合、支払基準を満たせない可能性がある

3. 要介護度が低い状態では公的介護保険制度の利用限度額を超えることは少なく、介護保険の保険会社所定の要介護状態の

4. 条件を満たせることが少ない

5. 健康状態の告知が必要な場合がある

民間の介護保険に加入をした場合、他の生命保険や年金と同様に保険料が必要となりますが、すでに死亡保障や医療保障・年金などに加入し、一定の保険料負担があるところに更に上乗せとなることで、保険料の負担がより大きく感じられる点が介護保険のデメリットの一つとして挙げられるでしょう。

私たちは、死亡・医療・老後・介護など様々なリスクへの備えが必要ですが、生命保険や個人年金の加入率から見ると、介護保険の優先度は低いのが現状です。

介護保険おすすめ3選

介護保険の選び方のポイント

所定の介護状態や認知症を保障してくれる民間の介護保険ですが、選び方のポイントとして以下2点が挙げられます。

①公的介護保険で足りない部分を何で補うか

公的介護保険で足りない部分を何で補うのか決めましょう。

・預貯金で備える

・民間介護保険に加入する

・認知症保険に加入する

・介護保障特約を他の保険契約に付加する

・介護年金移行特約で介護保険に変更できる終身保険などに加入する

②給付金の支払条件

民間介護保険や認知症保険に加入する場合、介護保障特約や介護年金移行特約で対応する場合に、介護保険・認知症保険の支払の条件が重要になってきます。

ランキング3選

SOMPOひまわり生命

笑顔をまもる認知症保険

No.1
笑顔をまもる認知症保険

三井住友海上あいおい生命

&LIFE 終身保険(低解約返戻金型)

No.2
&LIFE 終身保険(低解約返戻金型)

東京海上日動あんしん生命

長生き支援終身

No.3
長生き支援終身

現在、介護を必要とする方には公的な保障が受けられますが、公的保障だけでは足りない部分をどのように補っていくかは各家庭や各々の考え方による部分となります。

もしも民間の介護保険を利用する場合は、保険金を受け取れる条件種類等さまざまありますので、よく確認してから加入することをおすすめします。

2. 民間の介護保険の特徴

民間の介護保険を選ぶポイントとして保険料の安さを思い浮かべますが、保険料だけをみて選ぶのは尚早かもしれません。

民間の介護保険はしくみに特徴があるため、まずはそのしくみについて見ていきましょう。

民間の介護保険にはさまざまなタイプがあります。介護保険を選ぶときには、どのタイプが自分に合っているか、また必要なのかを考えることが大事です。

(1)介護保険の種類は4つ

民間の介護保険の種類は、主に次の4つです。

1. 貯蓄型タイプ、掛け捨て型タイプ

2. 支払い要件が、公的保障に連動するタイプ、自社基準タイプ、または両方の併用タイプ

3. 支払い基準が厳しいタイプ、緩いタイプ

4. 受け取り方が一時金タイプ、年金タイプ、両方の併用タイプ

民間の介護保険は、これらの組み合わせでできています。

1 貯蓄型・掛け捨て型

民間の介護保険には死亡保障がついている商品があり、終身の死亡保障になるため貯蓄性があります。

死亡保障のついている介護保険は、介護状態にならなかった場合でも、死亡すると保険金を受け取ることができますが、その分保険料は高くなります

死亡保障 保険料
貯蓄型 あり 比較的高い
掛け捨て型 なし 比較的安い

掛け捨ての介護保険は、死亡しても保険金を受け取ることができません。その分、保険料は安くなっています。

2 支払い要件が、公的保障に連動するタイプ、自社基準タイプ、または両方の併用タイプ

支払い要件が公的介護保険制度の基準に連動している場合には、公的介護保険制度で規定された認定を受けると保険金を受け取ることができます。

保険会社の基準によって決まる場合には、約款などに書かれた所定の状態になった場合に受け取ることができます。

公的介護保険制度の基準と保険会社の基準は、一致しているとは限りません。

また、公的介護保険制度の基準と保険会社の基準の併用タイプもあります。その場合はどちらかに該当すると、保険金を受け取ることができます。

3 支払い基準の厳しいタイプ、緩いタイプ

保険金が出やすいか出にくいかの基準は、保険会社によって異なります。

支払い基準が緩い場合には「要介護1」または「要介護2」で保険金を受け取ることができます。当然、受け取れる確率は高くなりますから、その分保険料は比較的高くなります。

逆に「要介護4」や「要介護5」といったレベルにならないと保険金を受け取ることができないタイプは、支払い基準が厳しい分、保険料は安くなっています

緩いタイプ 厳しいタイプ
保険金の
受給条件
要介護1
要介護2など
要介護4
要介護5など
支払い
保険料
比較的高い 比較的安い

4 受け取り方が一時金タイプ、年金タイプ、両方の併用タイプ

保険金の受け取り方も違いがあります。

一時金タイプは、要介護状態になると一時金で受け取ることができます。

年金タイプは、要介護状態になったら、年金形式で受け取ることができます。

併用タイプは、一時金、年金の両方を受け取ることができます。または、どちらかを選ぶことができるものです。

介護保険は、これら1〜4の要素を組み合わせて作られています。たとえば、以下のような形になります。

介護保険の契約例
死亡保障の有無 なし(掛け捨て型)
支払い要件 公的介護保険制度に連動
支払い基準 要介護2以上
保険金の
受け取り方法
一時金

この4つの要素を考えれば、自分に合った介護保険を選ぶことができます。ただし、

  • 死亡保険金も必要
  • 一時金も年金も必要

などと手厚い保障を望めば望むほど、保険料の高い商品になってしまいます。

保険を選ぶ際には、どうしても必要な項目に絞った方が保険料は安くなります。

(2)保障期間(保険期間)について

介護保険の保障期間は、

1. 一定の期間の保障である定期タイプ

2. 一生涯保障される終身タイプ

の2種類に分かれます。

主契約が介護保険である場合は、その主契約が定期タイプであるか終身タイプであるのか、主契約は医療保険で特約として介護保障特約をつけるのであれば、主契約の保障期間(保険期間)に左右されます。

(3)保険料と保険料払込期間について

保険料はどのタイプが安い?

保険料は、保障期間(保険期間)の長さと保障内容の範囲に応じて変わります。そのため、保険料が安いかどうかの比較はできないと言えます。

保険料払込期間は?

保険料払込期間は、原則主契約の保障期間(保険期間)に準じます

主契約が介護保険の場合、介護年金等の受け取りが始まると、それ以降の保険料の払込みを免除されることが一般的ですが、要介護状態が改善し給付要件を満たさなくなった場合、保険料の払込みの再開を要する商品もあるので、加入前に必ず確認をしましょう。

特約として介護保障を付加する場合、保険料払込免除特約がついているかどうかで変わってきます。

保険マメ知識

保険料払込免除特約(ほけんりょうはらいこみめんじょとくやく)
契約者が死亡あるいは保険会社が定める所定の状態になった際に、以降の保険料の払込が免除される特約。

保険料払込免除特約を付加しない場合、保険会社所定の介護状態になり、介護年金等の受け取りを開始したとしても、介護保障以外の主契約やその他の特約の保険料の払込を続けなくてはならない場合があるので注意が必要です。

(4)その他の特徴について

介護保険の付帯サービス

介護についての相談ができる付帯サービスを用意している保険会社があります。以下がその例です。

・介護についての電話相談サービス

・認知症などの疾病に関する電話相談

・介護付有料老人ホーム、サービス付高齢者向け住宅の紹介、優待サービス

・介護関連情報の提供

詳しくは保険会社に確認してください。

解約について

生命保険会社所定の手続きを踏むことで解約が可能です。生命保険会社ごとに手続き方法は異なりますので、詳しくはご契約の生命保険会社へご確認ください。

解約返戻金と税金について

介護保険は貯蓄型かどうかで、解約返戻金の有無が変わってきます。

保険マメ知識

解約返戻金(かいやくへんれいきん)
生命保険などの保険契約を解約した際に戻ってくるお金のこと。

解約返戻金を受け取った際の税金は、一時所得の扱いになります(2019年4月時点)。これは、下記の場合に一時所得として所得税がかかることを指します。

解約までに払い込んだ保険料の累計額<解約返戻金

基本的な計算式は、下記の通りとなります。

【(解約返戻金-支払保険料総額-50万円(特別控除))×1/2】=課税対象額

払った額に対して増えた額が50万円以内なら課税されない一方で、50万円を上回っても、増えた分の半額分が課税対象になるという意味で、預貯金などよりも節税効果があると言われます。

一時所得はその他の所得との総合課税となり、個人毎に税率等が異なるためご注意ください。詳細は、税理士または税務署にご確認をお願いいたします。

保険マメ知識

解約返礼率(かいやくへんれいりつ)
解約返礼金額を保険料累計額で割ったもの。解約返礼金として戻ってくる割合。

(5)介護保険と医療保険の違いと優先度

介護保険と医療保険の違い

介護保険と医療保険の主な違いは、支給条件と給付方法にあります。

介護保険 医療保険
支給
条件
所定の要介護状態
※保険会社によって公的介護保険に連動する基準場合と、保険会社独自の基準の場合がある

  • 入院給付金→所定の免責期間を超える入院
  • 手術給付金→所定の手術
支給
方法
一時金または年金

  • 入院給付金→入院日数に応じて支給
  • 手術給付金→手術の種類に応じして支給

医療保険は、所定の「入院」または「手術」をすることが支給条件となり、入院日数や手術の種類に応じて入院給付金や手術給付金が支払われますので、支給条件も支給方法もわかりやすくなっています。

一方、介護保険は日常生活上の基本的動作についてどの程度自分ででき、どの程度他人の介護が必要かによって、要介護状態の程度や保険金の支給の可否が決まります。

具体的な要介護度の身体状態については、後述するこちらの項目をご覧ください。

優先度は?

介護保険と医療保険を比較した場合、一般的にどちらの保険を使う機会が多いか(リスクが高いか)という視点に立てば、医療保険の方が使う機会が多いことから、優先度は高いといえます。

ある大手生命保険会社が令和元年度に支払った保険金・給付金のうち、入院給付金と手術給付金の支払い件数が全体の70%以上を占めています。

一方、介護保険については平成29年度の要介護(要支援)認定者数は約641万人ですが、年齢別にみると40歳以上65歳未満の人の割合は0.4%で、残りの99.6%は65歳以上の人が占めています。

介護の支給条件が違う※とはいえ、65歳未満では要介護状態になる確率は高くはありません。

※厚生労働省「介護給付費等実態統計月報」、総務省「人口推計月報」各2019年7月データに作成

※40歳以上65歳未満は介護の原因が特定疾病に限定

介護保険が不要という意味ではなく、リスクの高い入院や手術に備える医療保険は、優先度が高いといえるでしょう。

3. 民間の介護保険の必要性

(1)介護保険の必要性について

介護にかかる費用

介護にはお金がかかるだろうと想像できても、その金額となると漠然としています。いったいどのくらいの費用を用意をしていればよいのでしょうか?

生命保険文化センターによる調査の結果によると、介護にかかる初期費用は平均約69万円で、月々の平均負担額は約7.8万円となっています。

※生命保険文化センター 令和元年度「生命保険に関する全国実態調査」

初期費用の内訳には、バリアフリーをはじめとする住宅の改修や、

・介護施設への入居一時金

・医療費

・福祉器具

などの支出が含まれます。

介護にかかる月額の費用

介護で毎月かかる費用は、たとえば以下のようなものが挙げられます。

・入居型の介護施設の利用料

・訪問介護の費用

・医療費 など

悩ましいのは、それがいつまで続くかという点です。介護の期間は非常に長くなることが多く、生命保険文化センターの平成30年度の調査では、介護期間の平均は4年7ヵ月(54.5ヵ月)という調査結果が出ています。

この平均介護期間で介護にかかる費用を計算すると、以下の計算になります。

7.8万円(月々の介護負担額)×54.5ヵ月(平均介護期間)+69万円(初期費用)=494.1万円

この計算からも、介護にかかる費用は500万円程度であるといえるでしょう。

要介護者の割合と主な原因

要介護または要支援の認定を受けた人は、

  • 2018年4月末で約644万人
  • 2013年4月末で約564万人
  • 2008年度末では約455万人

でしたから、10年間で約185万人増加していることになります。

※厚生労働省 平成31年 「介護保険制度をめぐる状況について 要介護度別認定者数の推移」

現在の年齢別要介護認定率は65歳から74歳で2.9%ですが、75歳以上では32.2%とグッと増えています。

介護が必要になった主な原因は「認知症」が18.0%ともっとも多く、次いで「脳血管障害(脳卒中)」が16.6%、「高齢による衰弱」が13.3%、「骨折・転倒」が12.1%となっています。

また、どこで介護を受けたいかという希望については「自宅で介護を受けたい」と答えた人が73.5%ともっとも多くなっています。

介護する側の負担

介護をする側の負担も見逃せない問題です。介護のために離職する人も多く、社会問題にもなっています。

厚生労働省「雇用動向調査」によると、2017年に介護や看護のために仕事を辞めた人は年間約9万人おり、10年前の2007年には約5万人であったことから、およそ2倍になっていることがわかります。

また、そのうち男性は2万4千人、女性は7万5千人となっており、女性が約8割を占めています。

※厚生労働省 平成30年「雇用動向調査」

要介護状態にもよりますが、認知症などの場合は特に介護する家族の負担はより多くなります。

総務省の調査によると、介護をしている正規職員・従業員のうち、男性は月に3日以内、女性は週に6日以上を介護に費やしていると回答しており、非正規の職員・従業員については、男性は週に6日以上、女性も週に6日以上を介護に費やしていると回答しています。

※総務省 平成29年「就業構造基本調査」

介護する人は誰か?

では、介護する人は誰になるのかを考えてみましょう。

厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査」によると、介護をする人は配偶者が25.2%で1番多くなっています。

しかし、介護を必要とする時期には配偶者も高齢者となっており、60歳以上の人が介護を行っている割合は全体の約7割を占めます

保険マメ知識

老老介護(ろうろうかいご)と認認介護(にんにんかいご)
高齢者が高齢者を介護する事態を「老老介護」、さらに高齢者が認知症でその介護をする高齢者も認知症の場合には「認認介護」という。

続いて、子どもが介護する割合は21.8%で、子どもの配偶者は9.7%です。

介護する子どもが40代、50代というケースが考えられますが、子育てがまだ終わっていない場合には、親の介護と子育てを同時並行で行わなければなりません。これを「ダブルケア」といいます。

保険マメ知識

ダブルケア
介護と子育てを同時に担うこと。

内閣府男女共同参画局によると、このダブルケアを行う人は約25万人いると言われています。

※出典:内閣府 平成28年「育児と介護のダブルケアの実体に関する調査」

介護休業給付金とは

雇用保険制度にある「介護休業給付金」の支給申請をすると、一人の介護に対して最長3ヵ月の介護給付金を受け取ることができ、支給額は原則として賃金の67%となっています。

また、別の家族に介護が必要になった場合は、新たに最長3ヵ月間の受け取れます。

認知症とは

次に認知症について説明をしていきましょう。
厚生労働科学研究費補助金特別研究事業の調査によると、認知症の高齢者の数は2015年には462万でした。

2025年には約700万人まで達し「65歳以上の高齢者の5人に1人は認知症患者になる」と言われています。

認知症はもはや他人事ではなく、国民病ともいえる病気となっています。厚生労働科学研究費補助金 認知症対策総合研究の調査によると、認知症のうちの

・約67.6%はアルツハイマー型認知症

・19.5%が脳血管性認知症

・4.3%がレビー小体型認知症

・8.6%がその他の認知症

になります。

もっとも多いアルツハイマー型認知症は、早期発見・早期治療がとても重要で、早期に発見できると、病変の広がりを薬で遅らせることが可能です。

それは入院期間の短縮にもつながり、本人にとっても家族にとってもメリットが大きくなります。

認知症の費用

認知症の介護は、徘徊などに備えて常時付き添いが必要になる場合など、公的介護サービスの限度利用額を超えてしまうことを考慮しておきましょう。超えた分に関しては自己負担ですので、追加の費用がかかってきます。

厚生労働省と慶應義塾大学の調査によると、一人当たりの入院医療費は月額34万4,300円通院医療費は月額3万9,600円でした。

入院の場合、高額療養費制度を利用することで70歳以上ならば実際の負担額は4万4,400円以上はかかりません。通院の場合、自己負担は2割のため、負担額は8,000円程度となり、年間でも負担額は10万円程度になります。

いずれの場合も、自己負担の割合は年収によって変わります。

介護サービスの費用は、在宅介護の場合は一人当たり年間219万円、施設介護なら一人当たり年間353万円となっています。

インフォーマルケアコストとは

前出の調査によると、要介護者一人当たりのインフォーマルケア時間は週に24.97時間、インフォーマルケアコストは年間で382万円でした。

保険マメ知識

インフォーマルケアコスト
家族等が無償で行うケアを時給に直して、かかったコストを計算したもの。

認知症患者を抱えた家族は、多大な時間とコストを負担することになるのです。このコストを少しでも軽減するためには、早期発見がとても重要です。認知症のテストを受けるようにしましょう。

(2)介護保険の税金と控除について

民間の介護保険に契約をすると、払い込んだ保険料に対して生命保険料控除が利用できるため、所得税・住民税の負担が軽減されます

なお、平成24年1月1日以降(新制度)と平成23年12月31日以前(旧制度)では分類が異なりますので注意が必要です。

旧制度では「一般生命保険料控除」の対象でしたが、新制度では「介護医療保険料控除」または「一般生命保険料控除」になります。

※商品によっては「一般生命保険料控除」になる場合があるので、保険会社に確認をしてください。

介護保険の税金

民間の介護保険で被保険者が受け取る介護一時金や介護年金は、非課税です。

ただし、介護年金の受け取りが終わらないうちに被保険者が死亡した場合、被保険者の相続人が年金を受け取り、この場合は相続税と同じ考え方になります。

死亡保険金のある介護保険も、一般的な生命保険と同じ扱いになります。

4. 公的介護保険制度について

(1)公的介護保険制度とは

男性は約9年間、女性は約12年間はなんらかの制約を受けながら生活をすることになる現代の健康寿命は、かなり長い期間といえます。

その最中に、要支援・要介護になることもあります。要支援・要介護になったら、公的介護保険から支援を受けることができます。

ここでは、公的介護保険ではどのような支援を受けられるのかを紹介しましょう。まず、公的介護保険制度のしくみです。

保険マメ知識

公的介護保険制度(こうてきかいごほけんせいど)
介護が必要になったときに介護サービスを受けられる「現物支給」。

誤解が生じやすい事項ですが、現金を受け取れるわけではなく、介護サービスを1割の自己負担額で受けることができるしくみになっています。

※所得によっては自己負担額が2割、3割となります。

(2)介護認定とは?

公的介護保険制度では、要介護度によってその支給額が異なり、また受けることができるサービスの内容も変わってきます

もっとも、公的介護保険制度を利用するには、まず「要介護認定」の申請を行い、判定をしてもらう必要があります。

本人または家族が市町村の介護保険の窓口に申請書を提出すると、調査員が自宅にやってきて、家族や本人から事情を聞き取ります。

主治医に意見書を作成してもらい、それから判定になります。認定されると通知が届き、サービスを受けられるようになります。

介護認定によるそれぞれの要介護度と、身体の状態例についての詳細はこちらをご覧ください。

(3)介護サービスとは?

では、どのようなサービスを受けることができるのでしょうか?介護サービスには、

・在宅サービス

・地域密着型サービス

・施設サービス

などがあります。

在宅サービス

1. 訪問介護

2. 訪問入浴介護

3. 訪問看護

4. 訪問リハビリテーション

5. 通所介護

6. 通所リハビリテーション

7. 短期入所生活介護

8. 短期入所療養介護

9. 痴呆介護対応型共同生活

10. 特定施設入所者生活介護

11. 居住療養管理指導

12. 福祉用具貸与

施設サービス

1. 介護老人福祉施設

2. 介護老人保健施設

3. 介護療養型医療施設
・療養型病床群(病院・診療所)
・老人性痴呆患者療養病棟
・介護力強化病院

要支援者には9を除いた在宅サービスが、介護者には在宅サービス・施設サービスが提供されます。

いずれもかかった費用の1割が自己負担となりますが、1ヶ月あたりの支給限度額と利用できる在宅サービスの目安の詳細についてはこちらをご覧ください。要介護度によって、支給限度額が変わります。

※所得によって2割、3割の場合があります。

(4)介護サービス以外にかかる自己負担額は?

介護保険サービスを受けるとき以外にかかる費用は、すべて自己負担になります。

自己負担に該当する項目は、施設に通って利用するデイサービスの場合には、食費は全額が自己負担です。短期入所や施設サービスの場合は、

・食費

・滞在費

・日常生活費

・上限額を超えたサービス

は全額自己負担になります。

しかし、公的介護保険制度を1か月間利用した際の自己負担額の合計が所得に応じた上限額を超えた場合、高額介護サービス費制度を利用できます。

保険マメ知識

高額介護サービス費(こうがくかいごさーびすひ)
自己負担額が高額になったときに自己負担額を軽減できる制度。

所得によって限度額が違い、また同じ世帯で複数のサービス利用者がいる場合には合算が可能となります。

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5. 介護・認知症保険の選び方・見直し方

(1)介護保険が特約の場合

民間の介護保険は、

・主契約として介護保険に入る方法

・医療保険や終身保険などの特約として入る方法

があります。

特約として入る介護特約も同じようなしくみにはなっていますが、特約の性質上、主契約が払込満了し契約が終わると、特約も契約が終わってしまいます。

また、最近の介護特約は支払い要件がかなり緩和されてきていますが、以前の介護特約の支払い要件のなかには、高度障害状態に近い要件にならないと保険金や給付金が支払われないなど非常に厳しいものもあります。

このような介護特約の場合は、一度見直しを検討した方が良いかもしれません。

最近の介護特約においては、公的介護の要介護1の要件で保険金が支払われる商品もあります。いろいろな商品を比較検討してみてください。

(2)使い勝手がいい介護保険とは

介護保険の選び方のポイントを紹介しましょう。

まず、支払い条件が緩い方が、保険金や給付金を受け取れる可能性は高くなります。要介護1、2が要件になっているものを選ぶのはいかがでしょうか。

また、終身保険のように死亡保障がついているものは、保険料が高くなります。年金暮らしをしている場合には、できるだけ支出は抑えたいものですので、ここは保険料が安い掛け捨ての介護保険が良いと思います。

保険金は、一時金あるいは年金が良いなどは、一概にどちらが良いとはいえないところです。それは、

・バリアフリーなどの住宅の改修が必要か

・施設などへの入居一時金が必要か など

要介護になった状況にもよるからです。それぞれの目的とお金の使い方を考え選んでみてください。

(3)認知症保険の選び方

認知症保険も同じように、支払い要件が重要なポイントになります。

従来は認知症と診断されてから180日以上経過することが支払い要件になっていましたが、最近では「認知症と診断されたら支払われる」という支払い要件が緩いものが登場してきました。

それに追随して、要件を緩くした保険会社もあります。

また、認知症予備軍と言われる軽度認知傷害(MCI)を給付条件とした保険も生まれています。MCIは回復の可能性もある状態で、MCIスクリーニング検査でわかります。

認知症の場合には、損害保険も要検討

認知症高齢者が電車にはねられて死亡する事件がありました。JR東海は、死亡した認知症の家族に対して720万円の損害賠償を請求。一審の名古屋地裁では全額請求が認められたのですが、最高裁では支払い義務を否定する逆転の判決が出て確定をしました。

この裁判をきっかけに、認知症の高齢者の監督義務者に対する責任が問題になりました。

それを受け、個人賠償責任保険の内容を改定する動きが出てきました。損害保険会社大手3社はあらたに被保険者の範囲を拡大して、別生計、別居の場合でも「監督義務者」であれば適用されるとしました。

新しく個人賠償責任保険に入る場合には、これが適用されるかどうかを確認してください。

個人賠償責任保険は、補償の範囲が広いことが特徴です。掛金も年間2000円ぐらいで、1億円の保障がついています。通常は自動車保険や火災保険の特約として販売されていますが、最近は単独でも契約できる個人賠償責任保険が登場してきました。

介護保険の選び方・見直し方の記事一覧

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6. 介護保険・認知症保険のチェックポイント

何のため? 病気・けが全般等/認知症で介護が必要になった時のため
いくら必要? 老後の生活資金とは別に、預貯金等から計算する(目安は100〜500万円の間)
期間は? 一定期間(定期)か一生涯(終身)か
誰が使う? 契約者・被保険者・保険金受取人=自分
受取方法は? 自分(被保険者)の要介護状態・認知症時に:一時金か年金形式で受け取る方法

監修者プロフィール

吹田 朝子(すいた ともこ)

吹田 朝子

(すいた ともこ)

1級ファイナンシャルプランニング技能士、
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

ぜにわらい協会会長 一般社団法人円流塾 代表理事。人とお金の理想的な関係を追究するお金のメンタリスト®。1989年一橋大学卒業後、金融機関にて企画調査・主計部門を経て1994年より独立。
顧客相談3300世帯以上。TV出演・新聞連載など多数。結婚・妊娠・出産・子育てや転職・住宅購入、そして親の介護など、様々な人生イベントを含み、夫婦の稼ぎ方からお金の使い方、受け取り方、増やし方、そして家族のために次世代まで幸せが続くお金の使い道を設計することを生業としている。著書に「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」(スタンダーズ社)、「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」(C&R研究所)など多数。

長尾 義弘(ながお よしひろ)

長尾 義弘

(ながお よしひろ)

ファイナンシャルプランナー、AFP、日本年金学会会員、辛口保険評論家

NEO企画代表。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。
著書に「コワ~い保険の話」(宝島社)、「こんな保険には入るな!」(廣済堂出版)「商品名で明かす今いちばん得する保険選び」「お金に困らなくなる黄金の法則」「保険払いすぎ見直しBOOK」「最新版 保険はこの5つから選びなさい」「老後資金は貯めるな!」(河出書房新社)、「保険ぎらいは本当は正しい」(SBクリエイティブ)。共著に「金持ち定年、貧乏定年」(実務教育出版)。監修には別冊宝島の年度版シリーズ「よい保険・悪い保険」など多数。

目次

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