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【FP監修】新型肺炎で自宅やホテルで療養、医療保険の入院給付金の対象になるって本当?

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世界で感染者が急増している新型コロナウイルスによる新型肺炎。日本においても、イベントが自粛されているだけでなく、小中学校、高等学校にも休校要請が出される事態となっています。

「自分や家族が感染してしまったらどうしよう」と、多くの人が危機感を感じながら生活されているのではないでしょうか。

しかし、こんな時こそ頼りになるのが、日本の優れた公的医療制度や、保険会社が販売する保険商品です。もし新型のコロナウイルスに感染した場合は、公的医療保険や民間医療保険で、治療にかかる費用や失ってしまった収入を補填できるかもしれません。

そこで本記事では、新型コロナウイルスに感染した場合や、新型コロナウイルスになった場合に利用できる公的な医療保険や民間の医療保険の取り扱いについてまとめました。

※この記事は2020年3月10日時点での情報を元に記事を作成しています。コロナウイルスに関する最新情報は厚生労働省のホームページ、加入されている保険の保障については、保険会社のホームページをご確認ください。

新型肺炎、新型コロナウィルスとは

新型コロナウイルスの正式名称は、SARS-CoV-2といいます。コロナウイルスは、新型も含めてこれまでに7種類が見つかっており、うち4種類が一般的な風邪の原因の10〜15%を占めているといわれています。

また、うち1種類は2002〜2003年に流行した「重症急性呼吸器症候群(SARS)」で、もう1種類が2012年に発生した「中東呼吸器症候群(MERS)」です。

コロナウイルスは、人間だけでなくありとあらゆる動物に感染する一方で、種類の違う動物に感染することは稀です。加えて70%のアルコール消毒で感染力を失うとされています。

症状

2020年3月10日時点で、日本におけるコロナウイルス感染者のうち、約8割が無症状もしくは軽症、14%が重症で重篤が6%です。一方で症状が軽い人が、気づかないうちに感染を広めている可能性も示唆されています。

症状は、主に発熱や呼吸器症状などです。重症化する人は、微熱や咽頭痛、咳のような通常の風邪の症状から始まり、約5~7日程度で重症化して肺炎に至っています。

感染経路

新型コロナウイルスは、くしゃみ・咳による飛沫感染や、くしゃみや咳を抑えた手で周りのものに触れる接触感染によって広がり、空気感染はしないとされています。

ただし、閉鎖されている空間においては、くしゃみや咳がなくても感染する可能性があります。また、マスクによる予防は、満員電車のようなよほどの混雑した空間でない限り、予防効果は薄いようです。

新型肺炎と公的医療保険

新型コロナウイルスは、2020年1月28日に厚生労働省から指定感染症に指定されており、治療は特定感染症指定医療機関で行われます。そして、通常は3割負担である入院費用が公費負担となります。

また、コロナウイルスに感染しているかどうか判定するためのPCR検査の費用も、2020年3月6日より公的医療保険の対象になりました。自己負担分は公費負担となるため、実質無償で検査を受けられます。

ただしPCR検査は、インフルエンザの検査のようにどこでも受けられるわけではありません。医師が必要と判断すれば保健所を通さずに検査を受けられますが、感染防護が整った専門の医療機関でしか受けられないのです。

加えて、会社員や公務員が新型コロナウイルスの感染により4日以上会社を休み、所定の条件を満たすと、傷病手当金を受給できます。受給額は、過去12ヶ月における平均給与(標準報酬月額)の2/3に相当する額、受給期間は最大で1年半です。

新型肺炎と民間医療保険

保険会社が販売する医療保険に加入していると、新型肺炎になってしまった場合の入院や通院で保険金が受け取れる場合があります。

例えば、入院日額1万円の医療保険に加入しており、新型肺炎の治療で5日間入院した場合は、5万円の保険金を受け取ることが可能です。

また、保険会社によっては、新型コロナウイルスの検査結果が陰性であっても、体調がすぐれずに入院した場合は、保険金の支払い対象としています。

このように、新型コロナウイルスによる疾病で入院した場合は、基本的に民間医療保険の給付対象となりますが、保険会社によって詳細な対応が異なる場合があります。

そのため、まずは加入している医療保険の保障内容や、保険会社のホームページを確認してみてください。

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ココに注意

2020年4月6日現在、大手生命保険会社で病院以外での療養に関しても入院給付金の対象とする動きが出てきています。

詳細についてはご自身が契約のお持ちの生命保険会社へお問合せください。

医療保険以外の民間保険でも保険金を受け取れる場合がある

新型肺炎になった場合に、保険金を受け取れる可能性があるのは、医療保険だけではありません。場合によっては、以下のような保険から保険金を受け取れる場合があります。

  • 就業不能保険(所得補償保険)
  • 生命保険(死亡保険)
  • 海外旅行保険

それぞれについて確認していきましょう。

就業不能保険(所得補償保険)

就業不能保険や所得補償保険では、病気やケガで働けなくなった場合に、毎月定額の保険金を受け取れます。医療保険とは異なり、入院を伴わない医師による在宅療養も保障の対象である点がポイントです。

そのため、就業不能保険や所得補償保険に加入していると、新型肺炎で働けなくなっても、収入源を確保でき、生活費や住宅ローンの支払いに充てられるでしょう。傷病手当金と併せて受給することで、収入の大幅な減少も防げる可能性があります。

一方で、就業不能保険では60〜180日、所得補償保険では7日程度の免責期間があります。仮に免責期間中に復職した場合は、保険金を受け取れません。

また、コロナウイルスの影響で、会社や営業所が営業停止になった場合も、就業不能保険や所得補償保険から保険金は支払われない点に注意しましょう。

生命保険(死亡保険)

新型肺炎が原因で亡くなった人が生命保険に加入していた場合は、死亡保険金が支払われます。

しかし今回の新型コロナウイルス、新型肺炎による死亡は、普通死亡保険金の支払い対象であり、災害死亡保険金の対象とならないケースがほとんどです。

災害死亡保険金とは、不慮の事故または法定・指定伝染病によって死亡した場合に保険金額が上乗せされる保険金です。しかし今回のコロナウイルスの感染による死亡は、基本的に災害死亡保険金の支払い事由に該当しないと発表されています。

海外旅行保険

海外旅行保険では、海外旅行中に死亡した場合や病気・ケガを負った場合に保険金が支払われますが、新型コロナウイルスも補償の対象としている保険会社が多いです。

補償の対象となるのは、旅行行程中または行程終了後一定期間内に発病した場合などの条件が定められています。

また、旅行変更費用補償特約を付加している場合、旅行先(主に中国全土)で退避勧告が出され、出国を中止した場合も保険金の支払い対象となる場合があります。

まとめ

今回の新型コロナウイルスに感染し、新型肺炎を患った場合、公的医療保障や公費で医療費が支払われて、自己負担を緩和できます。

また、民間の保険商品からもさまざまな保障が受けられる可能性がありますが、詳細な対応は保険会社によって大きく異なります。

新型ウイルスの感染を予防し、被害の拡大防止に努めるのが第一です。しかし、もし感染した場合に備えて、自分が加入している保険の保障内容や、保険金の請求先などをあらかじめ確認しておきましょう。

  • この記事を書いた人
品木 彰

品木 彰

ファイナンシャルプランナー、FP技能士2級、保険・金融ライター。国公立大学卒業後、明治安田生命保険相互会社に新卒入社。法人営業として官公庁向けの団体保険・個人営業を担当。チームリーダーや管理職候補など7年半勤務。その後、人材会社に転じ多くの転職をサポート。現在は、保険、税金、貯蓄術、不動産など幅広いジャンルの記事を執筆するファイナンシャルプランナー。

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