医療保険

【FP監修】終身医療保険って必要?

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医療保険は知っていても、終身タイプの医療保険のことは詳しく知らない方もいるでしょう。「一生涯の医療保障がある保険」という漠然としたイメージしかなく、自分にとって必要なのか判断できないケースも見受けられます。他の保険に入っているからいらないと切り捨ててしまう前に、どのような特徴があるのか十分に把握しておくことが大切です。この記事では終身医療保険を保険料の切り口で、私たちの生活や家計にどのように役立つのか、その必要性を考えていきたいと思います。

最大の特徴は変わらない保険料!

終身医療保険の最も大きな特徴は保険料が上がらないことです。この点が掛け捨ての医療保険(定期医療保険)と大きく異なります。後者は更新する度、その更新時の年齢で保険料を再計算するため少しずつ保険料が上がっていき、10〜20年も経てばかなりの差が出るのが一般的です。つまり、同じ商品であれば、掛け捨ての医療保険(定期医療保険)は更新する度に少しずつ確実に支払いの負担は大きくなっていきます。

それに対して、終身医療保険は加入した時点から保険料が変わらないことが原則です。中には、医療保険の保険料がいつ加入しても同じではないのか?と思われる人もいるかもしれませんが、実際にはそうではありません。保険は加入時の年齢が若い方が保険料が安くなるように設定されており、加入時の年齢が高くなるにつれて保険料も高くなっていきます。終身医療保険の特徴は、加入した後、保険料が上がっていかないということです。20歳に加入した場合、50歳や60歳になっても支払う金額は同じです。

終身医療保険が家計に役立つポイントとは?

加入する必要があるかどうか検討する際は、自分にとってのメリットとデメリットを比較することも忘れてはいけません。他人にとっては魅力的でも、自分にはメリットが少ないこともありえます。とはいえ、前述のように「保険料が一生変わらない」という特徴がそのままメリットとなる人は多いでしょう。

保険に加入するときに多くの人が迷うポイントは保険料が上がっていくことでしょう。年収が上がっていく世の中なら、問題なかったかもしれません。しかし、昨今のように収入の右肩上がりが期待できなくなっている時代では、定期タイプの場合、加入当初は保険料が安くても、更新時に保険料が高くなることで将来的に負担が大きくなる不安があるでしょう。支払いが苦しくなれば解約せざるをえないリスクも出てきます。

それに対して終身医療保険は、いったん加入すれば保険料は変動しないので、そういった悩みを抱えずに済みます。保険というのは、そもそも安心を確保するという意味合いが強い商品です。加入しても将来、保険料が上がってしまい、負担しきれないかもしれないという不安を抱えるのは本末転倒ともいえます。将来にわたる安定性から安心を得るという目的を重視する方には、終身医療保険はおすすめといえるでしょう。

保険料の金額が将来もずっと変わらなければ、家計の中でも固定費として把握しやすくなります。人生100年時代と言われるこれからは、家計や資産の管理をしっかりと行うことが大事な時代です。教育資金や老後の生活費も早い段階から準備していこうと思う人も増えているでしょうこうした背景から、将来負担する保険料を固定費として組み込めることは大きなメリットといえます。お金の運用を考える上でも、家計上必要なお金と余裕資金を計算しやすくなるので、保険料が変わらない終身医療保険は、今後の見通しを立てるのに役立つことでしょう。

また、今は健康だから医療保険は不要だと考えている方も、年齢が上がるにつれて考えは変わっていくケースがよくあります。歳を重ねるにつれて、体力が低下し、病気にかかりやすくなる傾向にありますし、怪我をしやすい体にもなってくるでしょう。高齢者が自室で軽く転んだだけでも骨折する高齢者は珍しくありません。そのまま寝たきりになってしまうケースもよくあります。そのため、高齢になってから必死に医療保険を探して加入しようとする人も多く見受けられます。

しかし、実際いざ保険に入ろうと思っても、年齢を重ねてからでは保険料はすでに高くなっており、なかなかお手頃なものを見つけられない苦労もあります。若くて将来のリスクに対する意識が高い方は、早いうちに終身医療保険への加入を検討する価値があるのではないでしょうか。

払込期間と保険料の関係は?

ここまでで終身医療保険に加入する際のポイントをみてきました。終身医療保険の場合、保障期間が一生なので、保険料の払込期間を変えることでも保険料の金額は変化します。

例えば、保険料の払込期間を65歳までなど期限がある「有期払」の場合、保険料は、一生涯支払う「終身払」より高めになります。ただし、比較的保険料が安く算出される若い年齢で加入するのであれば、「有期払」を選び、定年退職までに保険料の支払いを終えてしまうということも1つの方法として挙げられます。加入当初は「終身払」と比べて割高な保険料負担となりますが、老後の支払いが無くなるという意味ではメリットといえます。

一方、保険料を一生涯支払い続ける形でも構わない、とにかく今の保険料は安いほうがいい!とお考えであれば、「終身払」がおすすめです。デメリットとしては、定年退職後の収入が減る時期でも保険料の支払いが続くという点が挙げられます。

終身医療保険の必要性とは

一方で、必ずしも終身医療保険の加入が必要ではないケースもあるので気を付けましょう。

たとえば、保険を定期的に見直していきたいと考えているなら加入するのは得策ではありません。保険会社は時代に合わせて新しい商品を提供します。なぜなら医療制度自体が変わっていくからです。今後も高齢化が進むつれて、いろいろと改定されていくことが予想されています。それに伴って、現在は存在しない魅力的な商品が提供されることも十分にありえるのです。加入した当初はお得に感じた保険でも、数年後には時代遅れで割高に感じるかもしれません。終身型に入っていると安心してしまい、新商品に対するチェックが甘くなりがちなので、魅力的な保険が用意されても気付かない恐れがあります。また、気付いたとしても特に終身医療保険の「有期払」では、心理的にそちらに解約して乗り換えにくいという人もいるでしょう。

そのため、自分で定期的に保険をチェックして最善の状態・商品を選択していきたい人は終身医療保険の必要性が低いと感じる人もいるかもしれません。このように終身型の医療保険の重要度・必要性は人によって異なります。将来設計や自分の性格を考慮して、メリットとデメリットのどちらが大きいのかを考えたうえで判断しましょう。

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矢野 康介

ファイナンシャルプランナー、トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)。大学卒業後、日本生命保険相互会社に新卒入社。法人営業として、一部上場の建築会社及び製薬会社を担当。その後、外資系生命保険会社にて保険事務、コールセンターの統括業務を経験。保険業界での経験は約20年にわたる。ドーナツの「保険をやさしく、わかりやすく」多くの読者に伝えたい想いに共感しドーナツ・マガジンにて執筆を開始。

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