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変額保険|どんな保険?メリット・デメリット

変額保険は、保険料の運用先を自分で指定し、保険金や解約返戻金を積極的に増やせる可能性のある保険です。しかし「投資ではなくあえて変額保険を選ぶ必要性はあるのだろうか」と考えている人もいるのではないでしょうか。

確かに変額保険と投資は、どちらも自分自身がリスクを背負ってお金を増やしていく点で共通しています。ところが変額保険には投資にはないメリットもあるため、変額保険を好んで選ぶ人もいるのです。

そこで今回は、変額保険の特徴やメリット・デメリットを解説し、変額保険の必要性を改めて考えてみたいと思います。

変額保険の基本的な仕組みをおさらい

まずは変額保険の基本的な仕組みについておさらいしていきましょう。

「自分は変額保険について理解している」と思っていても、実は理解できていない部分があるかもしれません。

変額保険とは、保険料の一部を特別勘定で運用する保険です。特別勘定では、国内や外国の株式・債券などから運用先を選べます。そして運用実績に応じて保険金や解約返戻金が増減する仕組みです。

2020年3月時点では、スマホアプリで運用状況を確認できるサービスも登場しており、変額保険を通じてより身近に投資を楽しめるようになっています。

また変額保険には、以下の3種類があり仕組みや特徴が異なります。加入目的に応じて適切な商品を選びましょう。

有期型:死亡・高度障害の保障期間が一定で満期時に満期保険金が支払われる
終身型:一生涯の死亡・高度障害保障が得られる
年金型:所定の年齢になるとそれまで積み立てたお金を原資に年金が支払われる

変額保険の死亡・高度障害保険金には、最低保証額が設けられる場合があります。その場合、運用の成果が悪くても最低保証額を下回ることはありません。

変額保険の優れている点

まずは変額保険の良い部分を1つずつ確認していきましょう。

インフレリスク対策になる

変額保険は、定額型の保険と違ってインフレリスク対策として有効です。インフレリスクとは、保険金や解約返戻金を受け取るときの物価が、保険に加入したときの物価よりも上がることで、保険金や解約返戻金の価値が目減りする可能性のことをいいます。

例えば、保険に加入したときに200円で買えた商品が、保険金を受け取るときに250円を出さないと買えなくなっていたとします。

保険金額が300万円の場合、購入時にはその商品を15,000個購入できますが、保険金の受け取り時には12,000個しか購入できません。つまり物価の価値が上がると、お金の価値が下がるのです。

世の中の傾向として、年数が経過すると物価は上昇していきます。定額型の保険は、契約時と保険金の受取時で金額が変わらないため、インフレによって相対的に価値が減ってしまいます。

加えて、2020年3月時点で日本は、歴史的な低金利が続いており、貯蓄型保険に適用される予定利率も最低水準です。貯蓄型保険の金利は基本的に固定ですので、低金利の時代に定額型の保険に加入すると、加入期間中ずっと低い金利が適用されたままになってしまいます。

一方で変額保険の場合は、物価が上昇すると投資先の株や債券の利回りも上昇する傾向にあるため、保険金や解約返戻金の額も増えて、価値が目減りするリスクに備えられるのです。

生命保険料控除で節税できる

生命保険料控除とは、年間で支払った保険料に応じた一定額が税金の課税対象となる所得から差し引かれる制度です。課税対象の所得が減少することで、所得税や住民税などの節税効果が期待できます。

変額保険は保険商品ですので、支払った保険料は生命保険料控除の対象です。一方で株式や投資信託に投資したお金は、このような節税制度が適用されません。

運用によって保険金や解約返戻金の価値を増やしつつ、節税効果によって手元に残せるお金を増やせるのは変額保険独自の魅力の1つでしょう。

ただし、年金型の変額保険に加入した場合、保険料は一般生命保険料控除の対象です。個人年金保険料控除の対象とはならないため注意しましょう。

死亡保険金には相続税の非課税枠が設けられている

変額保険の死亡保険金には、相続税を計算する際に非課税枠が適用されるため、相続税の軽減効果が期待できます。

非課税枠は500万円×法定相続人の数で計算される仕組みです。仮に法定相続人が合計3人(配偶者と子供2人)であった場合、1,500万円までの保険金が相続税の対象となりません。

株式や投資信託といった金融資産は、金額にかかわらず全額が相続税の課税対象となります。仮に金融資産が1,500万円だった場合は、その全てが相続税の課税対象となり、死亡保険金よりも多くの相続税がかかる可能性があるのです。

死亡保険金は最低保証が設けられている

変額保険の死亡・高度障害保険金には最低保証額が設けられる場合があり、万一の場合の運用結果が悪くても、最低保証額を下回る心配がありません。

投資信託のような金融資産だと、死亡した時に運用の成果が悪く、元本を毀損している可能性もゼロではありません。

変額保険の死亡保険金は、日本や世界の情勢にかかわらず、少なくとも最低保障額は残された家族に渡せます。

変額保険の注意点

次に、変額保険のデメリットや注意点について詳しく解説していきます。

運用によって損失が発生する可能性がある

変額保険の満期保険金や解約返戻金などは、運用の成果によっては元本を毀損する可能性があります。

加えて変額保険は、支払った保険料の全てが運用に回されるわけではなく、手数料として差し引かれる部分や保障分に回される部分もあります。他の金融商品と比較して運用効率が悪くなる可能性がある点にも注意しましょう。

途中解約返戻金によって元本割れの可能性がある

元本割れが発生するのは、運用がうまくいかなかった場合だけではありません。契約してから数年で解約した場合も元本割れが発生する可能性があります。

変額保険も他の保険と同じように、支払った保険料から保険会社の経費を引いた残りが運用や保障に回される仕組みです。そのため早期で解約すると、運用で増えた部分よりも保険会社に支払った経費の方が大きくなり元本割れが発生します。

投資に関する知識が必要

変額保険を始める際は、特別勘定を自分で指定しなければなりません。自分に合った投資先を選ぶためには、金融商品や投資先の国ごとの特徴・リスクのなどの違いに注目する必要があります。

そのため、投資に関する知識をある程度習得した上で始めなければ有効な投資先を選べず、運用に失敗する可能性が高まるため注意しましょう。

変額保険の必要性が高い人

以上の点から変額保険は、以下のような方々にとって必要性が高いと考えられます。

投資を始めてみたい
お金を増やしたいが損失が不安
一生涯の死亡保障を準備したい

変額保険で選べる特別勘定は、8個ほどに絞られているため投資の初心者でも選びやすいといえるでしょう。

損失が不安で投資が始められない人は、変額保険に加入することで少なくとも死亡保険金は最低保証額を下回る心配をなくせるでしょう。

また、葬儀費用や死後の整理資金など、将来誰でも必要になる費用への備えとして変額保険に加入すると、インフレリスクに対処しつつ必要な死亡保障を準備できます。

まとめ

変額保険は、保険と投資それぞれの特性を併せ持った金融商品です。特に生命保険料控除や死亡保険金の非課税枠などを受けながら、お金を増やしていける点が大きなメリット。インフレリスクにも対応できるため、一生涯の死亡保障の準備手段としても優れています。

一方で、変額保険は元本を毀損するリスクがあるため、必ずお金が増えるわけではありません。特別勘定選ぶ際には投資の知識も必要です。

もしこの記事を読んでいただいた結果、変額保険は自分に合っているなと感じた場合は、加入を検討してみてください。判断に迷う場合は、ファイナンシャルプランナーのようなお金の専門家に相談するのも1つの方法です。

メディケア生命 新メディフットエース
  • この記事を書いた人

矢野 康介

ファイナンシャルプランナー、トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)。大学卒業後、日本生命保険相互会社に新卒入社。法人営業として、一部上場の建築会社及び製薬会社を担当。その後、外資系生命保険会社にて保険事務、コールセンターの統括業務を経験。保険業界での経験は約20年にわたる。コのほけん!の「保険をやさしく、わかりやすく」多くの読者に伝えたい想いに共感しコのほけん!マガジンにて執筆を開始。

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