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【FP監修】2020年新型コロナウィルスによる影響が大きい中小企業はどうする?エヌエヌ生命の支援策

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新型コロナウィルスの感染拡大による景気への打撃は、世界同時不況を招いた2008年の金融危機リーマン・ショック、2011年の東日本大震災に匹敵し、日本経済は長期低迷するの可能性が専門家から指摘されています。

特に、飲食業界、旅行業界・観光業界などのサービス業で接客を伴う業種等へ影響は大きいものです。本記事では、中小企業向けの公的支援策と民間の支援策などについてご紹介します。

公的支援:経済産業省の支援策

経済産業省の支援策のポイントは以下の3つです。

支援策のポイント

  • 資金繰り
  • 設備投資・販路開拓
  • 経営環境の整備

※出典:経済産業省:
新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ(PDF形式:670KB)

ここでは、資金繰りに焦点をあてて、具体的にどのような政策なのかをみていきたいと思います。

資金繰りへの支援策

セーフティネット保証制度とは

セーフティネット保証制度とは、中小企業信用保険法第2条第5項及び第6項に定められた中小企業の経営安定に関する保証制度です。

取引先等の再生手続等の申請や事業活動の制限、災害、取引金融機関の破綻、大規模な経済危機等による信用の収縮等により経営の安定に支障を生じている中小企業者について、一般保証(最大2.8億円)とは保証限度額の別枠化等を行う制度です。

下記の2種類があります。

①経営安定関連保証(中小企業信用保険法第2条第5項)

1号:連鎖倒産防止 (令和2年2月20日更新)
2号:取引先企業のリストラ等の事業活動の制限 (平成31年1月4日更新)
3号:突発的災害(事故等)
4号:突発的災害(自然災害等) (令和2年3月3日更新)
5号:業況の悪化している業種(全国的) (令和2年3月6日更新)

6号:取引金融機関の破綻
7号:金融機関の経営の相当程度の合理化に伴う金融取引の調整 (令和元年12月26日更新)
8号:金融機関の整理回収機構に対する貸付債権の譲渡

②危機関連保証(中小企業信用保険法第2条第6項)【平成30年4月1日施行】

危機関連保証制度(大規模な経済危機、災害等による信用収縮への対応)

今回は、①経営安定関連保証(中小企業信用保険法第2条第5項)の中で、経済産業省が新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業者への資金繰り支援措置としてセーフティネット4号・5号を発動しました。

【指定地域】 47都道府県
セーフティネット保証4号:【指定期間】 令和2年2月18日から令和2年6月1日まで
セーフティネット保証5号:【指定期間】 令和2年3月6日から令和2年3月31日まで(四半期ごとに業種見直しあり)

この措置で新型コロナウイルス感染症で影響を受けた中小企業者について、信用保証協会の一般保証枠とは別枠の保証が利用可能となります。

セーフティネット制度の詳細については、下記のHPをご参照ください。

※出典:経済産業省:

新型コロナウイルス感染症に係る中小企業者対策を講じます(セーフティネット保証4号の指定)

新型コロナウイルス感染症に係る中小企業者対策を講じます セーフティネット保証5号の追加指定

※出典:中小企業庁:

セーフティネット保証制度 中小企業信用保険法第2条第5項及び第6項

セーフティネット貸付とは

セーフティネット貸付とは、経営環境変化対応資金といい、日本政策金融公庫が実施する融資です。日本政策金融公庫のHPを見ると、以下の記載があります。

社会的、経済的環境の変化など外的要因により、一時的に、売上の減少など業況悪化を来しているが、中長期的には、その業況が回復し、かつ、発展することが見込まれる中小企業者の経営基盤の強化を支援します。

【資金の使いみち】
企業維持する上で緊急に必要な設備資金
経営基盤の強化を図るために必要な長期運転資金

【融資限度額】
直接貸付で中小事業 7.2億円、国民事業4,800万円

【金利】
基準金利:中小事業1.11%、国民事業1.91%
※令和2年2月3日時点、貸付期間・担保の有無等により変動

通常であれば、「売上高が5%以上減少」というような具体的な数値要件が存在するのですが、今回の新型コロナ感染拡大に伴い、貸付の要件の緩和、また、今はまだ影響がないものの、今後影響が見込まれる事業者も融資対象となるなどの条件緩和が2月14日より実施されています。

具体的な内容については、下記をご参照ください。

※出典:日本政策金融公庫:

新型コロナウイルスに関する相談窓口|日本政策金融公庫

経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)

※出典:沖縄振興開発金融公庫:

新型コロナウイルスに関するご案内

衛生環境激変対策特別貸付とは

衛生環境激変対策特別貸付とは、関係省庁から適用の指示(取扱開始時期、対象業種等)が日本政策金融公庫にあってはじめて実施できる貸付制度です。

日本政策金融公庫のHPを見ると、以下の記載があります。

感染症または食中毒の発生による衛生環境の著しい変化(衛生環境の激変)に起因して、一時的な業況悪化から衛生水準の維持向上に著しい支障を来している生活衛生関係営業者の経営の安定を図るための特別貸付制度です。

(注)本貸付の適用は、関係省庁から適用の指示(取扱開始時期、対象業種等)があった場合に限ります。

具体的な内容については、下記をご参照ください。

※出典:日本政策金融公庫:

新型コロナウイルスに関する相談窓口|日本政策金融公庫

経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)

※出典:沖縄振興開発金融公庫:

新型コロナウイルスに関するご案内

金融機関等への配慮要請

これまでの支援策以外にも、中小企業の事業者の資金繰りに重大な支障が生じることがないよう、経済産業省から金融機関、政府系金融機関等へ下記の配慮要請が出されています。

①適時適切な貸出
②返済猶予等の既往債務の条件変更
③企業の実績に応じた十分な対応
④セーフティネット貸付の活用(日本政策金融公庫および沖縄振興開発金融公庫に対して)

設備投資・販路開拓

生産性革命推進事業(令和元年度補正予算3,600億円)において、サプライチェーンの毀損等に対応するための設備投資や販路開拓に取り組む事業者が優先的に支援されます。

具体的には、

①ものづくり・商業・サービス補助金
②持続化補助金
③IT導入補助金

の採択審査において、今般の感染症の影響を受けながらも生産性向上に取り組む事業者に対して加点措置が講じられるそうです。具体的な内容については、下記をご参照ください。

※出典:独立行政法人 中小企業基盤整備機構:

中小企業の生産性革命を応援します! | 中小企業生産性革命推進事業

経営環境の整備

ここまででご紹介したもの以外にも、下記のような経営環境の整備のための政策などが講じられています。具体的内容についてはPDFからご確認をお願いいたします。

※出典:経済産業省:

新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ(PDF形式:670KB)

  • 下請取引配慮要請
  • 官公需における配慮要請
  • 雇用調整助成金の特例措置
  • 雇用調整助成金の特例措置(自治体が緊急事態宣言を発出して活動の自粛を要請している地域)
  • 小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援
  • テレワークに関する情報提供
  • テレワーク導入にご活用いただける支援策
  • 相談窓口の設置等

民間ーエヌエヌ生命保険による中小企業の支援策ー

ここまででご紹介したものは、新型コロナウィルス感染拡大に伴う行政による支援策でした。民間でも、中小企業の資金繰りに関する支援策を打ち出すところが出てきています。

エヌエヌ生命保険は、中小企業向けの保険が主力となっているのですが、2020年3月5日、契約者への貸付金利をゼロ%にするという発表をしました。

震災や台風などの災害時に被害地域に限って金利を免除することはエヌエヌ生命以外にも他生保でも実施されていますが、今回のように感染症の影響を理由に適用するのは初めてだそうです。思い切った、かつ、とても素晴らしい支援策ですね。

契約者貸付とは、解約返戻金の一定範囲内で一時的な資金を貸し出す制度です。利用できるのは解約返戻金がある契約かつ契約者貸付制度が設定されている商品に限定されるため、すべての保険契約ができるというものではありません。

エヌエヌ生命の条件は、以下の通りとなっています。

対象契約者(※1)
全ご契約者(法人および個人)
(ただし、変額保険・変額年金保険・一時払変額年金保険を除く)

金利 年利 0.0%
上記金利適用金額 契約者貸付限度額まで

特別金利適用期間(※2)
令和2年(2020年)9月30日まで

受付期間
令和2年(2020年)6月1日まで

(※1)中小企業信用保険法第2条第項5第4号(突発的災害(自然災害等))に基づくセーフティネット保証制度指定案件(令和二年新型コロナウイルス感染症)の適用地域(全都道
府県)の全てのご契約者(法人および個人)が対象になります。

(※2)開始日については、令和2年(2020年)2月18日に遡及して適用します。

条件などが変更になる可能性もありますので、必ず最新情報を確認するようにしてください。

※出典:エヌエヌ生命保険株式会社:

エヌエヌ生命保険 - 法人・中小企業向け保険

令和二年新型コロナウイルス感染症により影響を受けられたお客さまに対する特別取扱いについて - 法人・中小企業向け保険

エヌエヌ生命保険と同様に、中小企業を主要顧客とする大同生命保険やソニー生命保険も同様の対応を検討しているそうです。

まとめ

生命保険会社は、万が一のときのための経済的保障を提供するということを生命保険事業としての使命として担っていますが、銀行や証券会社などと同じく、金融機関のひとつでもあります。そのため、このような形での支援策などを打ち出す生命保険会社があるということも知って頂けると幸いです。

保険の見直しや家計相談だけではなく、契約者貸付のこと、資金繰りの相談などについても独立系ファイナンシャルプランナーであれば、ご相談いただくことが可能です。ドーナツでは無料でファイナンシャルプランナーの相談をご利用頂けます。是非これを機会にご利用ください。

  • この記事を書いた人
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矢野 康介

ファイナンシャルプランナー、トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)。大学卒業後、日本生命保険相互会社に新卒入社。法人営業として、一部上場の建築会社及び製薬会社を担当。その後、外資系生命保険会社にて保険事務、コールセンターの統括業務を経験。保険業界での経験は約20年にわたる。ドーナツの「保険をやさしく、わかりやすく」多くの読者に伝えたい想いに共感しドーナツ・マガジンにて執筆を開始。

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