生命保険

生命保険でトラブルに巻き込まれたときに知っておきたい4つの対処法

生命保険に加入していると、まれに予想もしていなかったトラブルに巻き込まれることがあります。

保険金や給付金を受け取れると思ったら受け取れなかった
名義変更などの手続きを行ったが、データに反映されていなかった
保険料の引き落とし口座を変更したが、変更前の口座から引き落としがあった
契約の担当者の説明が間違っていた(それを信じて契約してしまった)、など

これらは数多くのトラブルのうちのひとつにすぎませんが、あなたがこのようなトラブルに巻き込まれないとは限りません。では、あなたが実際にこのようなトラブルに巻き込まれてしまったとき、どのように対処すればいいのでしょうか。

まずは保険会社のカスタマーセンターに連絡

生命保険でトラブルに巻き込まれたとき、まず一番にできることは、加入している(もしくは加入予知、やめた)保険会社のカスタマーセンターに連絡することです。

日本国内で保険業を営んでいる生命保険会社には、必ずカスタマーセンター(お客様相談窓口)があります。いずれも電話やメールで連絡を取ることができ、契約に関する事項や変更手続き以外にも、苦情などの相談をすることもできます。

あなたが加入している保険会社のカスタマーセンターを知りたい方は、保険会社のホームページを確認するか、生命保険協会のホームページにも「会員会社一覧」というものがありますので、そちらでも確認することができます。

ただ、保険会社のカスタマーセンターに連絡をしても、すぐに解決しないこともあります。そのようなときはどうしたらいいのでしょうか?

生命保険相談所に相談する

保険会社のカスタマーセンターに相談しても解決しなかったときは、生命保険相談所に相談をしてみましょう。

生命保険相談所は生命保険協会の中に位置しており、保険業法に定める指定紛争解決機関として、金融庁の指定を受けて、生命保険業務や外国生命保険業務に関する苦情処理の手続き、紛争解決手続きなどの業務を平成22年10月1日から行っています。

では、実際にトラブルの相談をするとき、生命保険相談所ではどのようなことが相談できるのでしょうか。また、どのような人が相談に対応してくれるのでしょうか。

生命保険相談所で相談できる内容

生命保険相談所で相談できる内容とは、営業職員、保険代理店、生命保険会社との間で起こったトラブルに対して、生命保険会社と交渉しても解決しなかった事柄について相談することができます。また、解決すべく苦情に対して、生命保険会社に解決依頼をしたり、生命保険会社から和解に対する報告を受けたりもします。

生命保険相談所は、トラブル以外にも、生命保険に関する相談を受け付けており、お客様の疑問や悩みを整理し、解決に向けたアドバイスを行います。

対応する人はこんな人

生命保険相談所で、保険のトラブルに対応するのは、豊富な専門知識を持った相談員です。この相談員は中立公正な立場で相談に乗ってくれますので、保険会社に不信感を持っている人でも安心して相談することができます。

全国の生命保険相談所

生命保険相談所(生命保険相談室)は東京にあり、生命保険に関するさまざまな相談や照会、苦情を受け付けています。相談所は全国にもあり、生命保険連絡所は全国で50か所設置されています。

以下がその50か所に設置された連絡所のある地域です。

札幌・苫小牧、函館、旭川・北見、釧路・帯広、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡、北九州、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島、沖縄県

裁定審査会に解決してもらう

生命保険相談所では、申し出のあった苦情に対して、お客様の疑問や不安に応じたり、解決に向けてのアドバイスをしたりしますが、それでも解決に至らす、紛争に発展してしまうことがあります。そんなときは、中立・公正な立場から紛争解決支援のために生命保険相談所の中に設けられた裁定審議会に訴えることができます。

裁定審査会にかかる費用は無料です。ただし、通信費や事情聴取に出席する場合の交通費、その他の手続費用などは自己負担となります。また、裁定審査会は主に書面により事実確認を行うので、全国どこからでも手続をすることができます。

事情聴取を行う場合は、近くの連絡所にてテレビ会議システムを利用することもできます。また、裁定手続は非公開で実施されますので、一般的な裁判よりも解決に時間がかからないケースが多いこともメリットのひとつです。

紛争解決の流れ

裁定審査会に保険のトラブルを相談したとき、紛争に発展したものが解決するまで以下のような流れを取ることが一般的です。

step
1
裁定審査会への申立て


まず、相談者が裁定審査会への申立てを希望されたとき、相談所はその仕組みや流れについて説明します。そして、裁定審査会事務局へその申出を取り次ぎます。また、トラブルになっている相手方の生命保険会社に対し、相談者が裁定審査会への申立てを希望していることを伝え、苦情に対してどのような対応をしているか、その状況を確認します。

step
2
必要書類の送付


裁定審査会えの申し立てをしたら、次に裁定審査会事務局から相談者へ裁定申立書用紙および説明書類(申立書記入方法・添付書類・今後の裁定手続の流れ等を記載した「裁定審査会ご利用の手引き」)を送付します。

相談者は申立書を作成することが必要で、申立ての根拠となるトラブルの原因や経緯などの事実についての証拠書類を添付して、裁定審査会事務局まで2部提出します。なお、提出した裁定申立書や証拠書類等に不備や不足などがあった場合や、申立の趣旨・理由が不明確な場合には、事務局より書類の修正や補正、補充を求めることがあります。

step
3
適格性の審査(受理・不受理の審査)


裁定審査会は、相談者から提出された裁定申立書等に基づいて、申立内容に係る適格性の審査(受理・不受理の審査)を行います。もし、その申し立てが受理されなかった場合(不受理)は、相談者に対してその理由を通知します。

step
4
裁定申立ての受理


申立内容の適格性が審査された結果、裁定審査会が相談者の申立てを受理した場合、相談者にその旨を書面で通知し、トラブルの相手方である生命保険会社へ申立書等を送付します。このとき、生命保険会社には、裁定審査会の手続に必ず参加する義務があります。

step
5
裁定開始の決定・主張書面や資料等の提出


トラブルの相手方である生命保険会社は、申立書等に対して答弁書を作成し、裁定審査会に提出します。裁定審査会は答弁書の提出を受けて、裁定審理の開始を決定します。

そして、その答弁書を相談者に送付し、その後、相談者とトラブルの相手方である生命保険会社より反論書等を提出してもらいます。そして、裁定審査会で事実確認を行い、必要に応じて、裁定審査会から当事者に対して資料等の提出を求め、審理の参考にします。

トラブルの相手方である生命保険会社には、裁定審査会の求めに応じて、報告や説明、関係書類の提出に必ず応じる義務があります。

step
6
事情聴取のための裁定審査会への出席

裁定審査会には、発生したトラブルの実態や原因・背景、当事者(申立人・募集人等)の主張内容を的確に把握することが求められています。そして、そのトラブルの解決の糸口を的確に見出すために、当事者双方に対して、面談などによる事情聴取(裁定審査会委員によるトラブル発生時の状況や主張内容のヒアリング)を行います。

もし、事情聴取を希望しない場合は、裁定申立書の中にその旨を記入することができます。 そして、当事者が主張している内容や事実関係が明白でないと裁定審査会委員が判断した場合、裁定申立書に「希望しない」としていても、事情聴取を受けるように案内することもあります。

step
7
裁定審理の結果(裁定手続の終了)

裁定審査会で、和解による解決の見込みがないと判断したとき、裁定書でその理由を明らかにし、裁定手続が終了となります。逆に和解による解決が相当と判断したときは、裁定書にて和解案を当事者双方に提示(受諾勧告)します。

トラブルの相手方である生命保険会社には、原則として和解案を受諾する義務があるので、相談者が和解案を受諾したときに和解が成立し、当事者間で和解契約書を締結します。ただし、相談者が和解案を受諾しないときには、裁定不調ということになり裁定手続は終了します。

また、相談者が和解案を受諾して1ヶ月以内にトラブルの相手方である生命保険会社が訴訟提起をした場合も、裁定不調により裁定手続は終了します。仮に、申立ての内容に虚偽の事実が認められたときや、申立人が正当な理由もなく事情聴取に出席しないとき、裁定開始後に不受理に該当すると認められたときや、その他の裁定を行うことに適当ではない事情が認められたときなどには、通知書でその理由を明らかにし、裁定手続を打ち切ることができます。

注意点

裁定審査会への申立てが受理された場合、裁定審理が行われた結果、和解が成立することなく手続きが終了した場合でも、相談者が手続を終了して(その旨の通知を受けた後)1ヶ月以内に訴訟を提起した場合には、裁定申立書の受付時に遡って、時効が中断します。なお、相談者はいつでも裁定審査会への申立てを取り下げることができます。

では、裁定審査会に相談してもトラブルが解決しなかった場合には、どうしたらいいのでしょうか?

国民生活センターに相談する

裁定審査会で解決しない生命保険のトラブルについては、国民生活センターに相談してみましょう。

国民生活センターには、毎年6,000件を超える生命保険に関するトラブルの相談が寄せられていて、日本全国の消費生活センターへのホットライン(局番なし「188」)で相談することができます。ホットラインは全国共通の番号で、原則24時間365日、専門の相談員が受け付けてくれます。

相談方法は基本的に電話のみですが、気軽の相談できるという点では、初めての人でも安心して相談ができるのでおすすめです。

まとめ

生命保険に関するトラブルに巻き込まれてしまったとき、消費者は保険会社という大きな存在におびえて、泣き寝入りをしてしまうこともあります。しかし、対処法を知っているかどうかで、生命保険会社相手でも、しっかりと立ち向かうことができるようになります。

1.まずは、生命保険会社のカスタマーセンターに相談するこ
2.次に、生命保険相談所に相談すること
3.解決しなければ、裁定審査会に解決してもらうこと
4.最後に、国民生活センターに相談すること

生命保険のトラブルに巻き込まれてしまたときのために、この4つのポイントは必ず覚えておきましょう。

メディケア生命 新メディフットエース
  • この記事を書いた人

相川 博史

2級FP技能士、トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)、住宅ローンアドバイザー。外資系生命保険会社、保険代理店において20年近く営業職員として勤務。執筆分野は生命保険、損害保険、家計見直し等。テクノロジーにも精通しており、自ら複数のWebサイトの運営も行う。3人の子育てパパ。

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