生命保険

生命保険における契約日と責任開始日について

生命保険や医療保険、がん保険などは、契約したその日から保障が開始されるわけではありません。保障が開始されるのは、契約日とは別に設定された責任開始日以降となります。

しかし、契約日と責任開始日がなぜ分かれているのか、どのようにして決まるのかよく理解できていない方も多いでしょう。

この記事を読んでいただくことで、生命保険における保障が開始されるタイミングが分かるようになります。また、申し込みにおける注意点についても記載しているためぜひご一読ください。

責任開始日とは生命保険の保障が開始される日

責任開始日とは、生命保険や医療保険などの保障が開始される日のことです。

例えば医療保険の場合、責任開始日以降に負った病気やケガによる入院・手術などが保障の対象となります。仮に、責任開始日より前に負った病気やケガが原因で、責任開始日よりあとに入院や手術をしても、基本的には保障の対象外となります。

「保険の契約をしたからもう安心」と思われるかもしれませんが、保険の申込書を記入しただけでは保険の保障は開始されません。保障が開始されるためには、所定の要件を満たす必要があるのです。

それでは具体的に、責任開始日はいつからなのでしょうか?次は、保険契約における責任開始日の要件について説明していきます。

責任開始日はいつ?

責任開始日は、次の3つが全て完了した日です。

保険契約の申し込み日
告知もしくは診査を終えた日
第一回保険料の払込んだ日

上記の3つが完了すると、保険会社で契約を引き受けるかどうかの審査が行われます。審査の結果、契約が成立すると「告知・診査」を終えた日もしくは「第一回保険料の払込んだ日」のどちらか遅い方が、責任開始日となる仕組みです。

例えば、以下の流れで保険の契約が成立したとしましょう。

保険契約の申し込み:2019年8月10日
第一回保険料の払込み:2019年8月13日
告知もしくは診査を終えた日:2019年8月15日

このような場合は、2019年8月15日が責任開始日となります。ただし責任開始日は、保険会社によって規定が異なる場合があるため、契約時に確認しておくと安心ですね。

第一回保険料の払込み日は、保険料を支払う方法によって異なります。特に、保険料をクレジットカード払いで支払う場合は、クレジットカードの有効性が確認できた日が、第一回保険料の払込み日とみなされる場合も多いです。

また、一部の生命保険会社では「責任開始の特約」を付加することができます。責任開始の特約を付加すると、第一回保険料の払込みの日にかかわらず「申し込み日」と「告知もしくは診査を終えた日」のいずれか遅い方が責任開始日になるため、保障が早く有効になります。

ちなみに、第一回保険料の払込みには払込猶予期間があり、期間中に第一回保険料が支払われなかった場合は契約が無効になることがあるため、速やかに支払いましょう。

契約日とは保険会社と契約を結んだ日

契約日とは、契約者が申し込みをした生命保険契約を、保険会社が承諾して契約を結んだ日のこと。契約時の年齢や保険期間などの計算は、契約日を基準として算出されます。また、契約日には保険証券が発行される仕組みです。

契約日は、責任開始日の翌月1日となる場合や、責任開始日と同じ日になる場合など、保険会社によって異なります。

契約日と責任開始日が分かれている理由

契約日と責任開始日が分かれている理由は、保険会社が契約を承諾して保険証券を発行するまでに時間がかかるからです。

本来であれば、契約者と保険会社の双方が契約に同意しなければ、効力は発生しません。しかし、保険会社が保険証券を作成しているあいだに、保険の対象となる人に万が一のことがあったために、保険金や給付金が受け取れないとなると契約者にとって不利ですよね。

そこで、契約日とは別に保障が有効となる責任開始日を設けて、契約が成立したら責任開始日にさかのぼって保障が有効になる仕組みとなっています。

責任開始日以降でも保障されない?免責期間とは

生命保険やがん保険、古いタイプの医療保険には、免責期間が設けられている場合があり、保険契約が成立したり責任開始日が訪れたりした場合でも、保障の対象外となる可能性があるため、注意が必要です。

ここでは、保険契約における免責期間を、保険の種類ごとに解説していきます。

生命保険における免責期間

生命保険の免責期間は「責任開始日から一定期間内に保険の対象となる人が自殺した場合は保障の対象外になる」というものです。これは、はじめから自殺する意思がある人が生命保険に加入して、保険金を支払わなければならなくなるリスクに対処するために設けられた免責期間といえます。

生命保険の免責期間は、商品によって異なりますが、通常は1年〜3年の間に設定されています。

がん保険における免責期間

がん保険の場合は、契約が成立しても保障自体がすぐに開始されません。告知・診察と第1回保険料の払込みのいずれか遅い日から、3ヶ月もしくは90日の免責期間(待ち期間)が経過した日が責任開始日となります。

そのため、がん保険に加入できたとしても、免責期間中に発症したがんは保障の対象外。さらに免責期間中にがんと診断された場合、がん保険の契約自体が無効になってしまうため注意が必要です。

がんは、発症しても自覚症状がないことが多い病気。がんと診断確定された日から数ヶ月前にはすでに発症しているケースもあることから、一定期間の免責期間が設けられています。

医療保険の免責期間

古いタイプの医療保険では、病気やケガによって入院した場合でも、入院から4日までは免責期間として、保険金や給付金の支払い対象外である場合がありました。

例えば、入院給付金日額が5,000円の医療保険に4日間の免責期間が付いていた場合、10日入院しても6日分の保険金である30,000円(5,000円×6日分)しか給付されません。

近年の医療保険において、免責期間が設けられているものはほぼなく、入院初日から保険金や給付金を受け取れるものがほとんどです。

告知義務違反は絶対にしてはいけない

告知義務違反とは、保険契約を結ぶときの告知において、現在の健康状態や過去の病歴などについて、事実とは違う内容を告知することをいいます。

「過去に心臓の病気を患ったことがあるけど医療保険に加入したいから隠しておこう」
「現在血圧を下げる薬を飲んでいるけど、周りの人も飲んでいる人たくさんいるから特に申告しなくて良いだろう」

このように告知義務違反をする背景には、故意や悪意のある場合やない場合などさまざまなケースがあります。

しかし、保険会社の調査能力を甘くみてはいけません。告知で内容を偽って保険契約が成立したとしても、保険金や給付金の請求をするときに、保険の対象となる人(被保険者)の過去の病歴(既往歴といいます)は徹底的に調べられます。

調査の結果、仮に告知義務違反が判明した場合、保険会社は契約の解除が可能です。保険契約が解除された場合は、解除よりも前に万一のことが起こっていても、保険金や給付金は支払われません。さらに告知義務違反をした履歴が残り、その保険会社での保険契約を断られる可能性もあります。

まとめ

保険契約においては、契約日と責任開始日の違いを知ることはとても大切です。

契約日:保険会社と保険契約を締結した日
責任開始日:保障が開始される日

契約日より前に、死亡や高度障害になった場合や、病気やケガによる入院や手術をした場合でも、責任開始日以降であれば保障の対象です。

ただし、保険の種類によっては免責期間が設けられている場合があり、責任開始日の要件を満たしていても保障の対象外となる場合があるため注意しましょう。

メディケア生命 新メディフットエース
  • この記事を書いた人

品木 彰

ファイナンシャルプランナー、FP技能士2級、保険・金融ライター。国公立大学卒業後、明治安田生命保険相互会社に新卒入社。法人営業として官公庁向けの団体保険・個人営業を担当。チームリーダーや管理職候補など7年半勤務。その後、人材会社に転じ多くの転職をサポート。現在は、保険、税金、貯蓄術、不動産など幅広いジャンルの記事を執筆するファイナンシャルプランナー。

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