就業不能保険

【FP監修】働けないリスク!フリーランスと会社員の就業不能保険とは

働けないリスクの大きさは人によって違う

病気やケガをして働けないといっても、状況はさまざまです。1週間入院したけれど、そのあとは完全に仕事に復帰したなどという場合は、それほど問題はないでしょう。もちろん、たとえ短期間でも本人や家族は大いに気を揉むでしょうが、経済的なダメージは小さくてすむはずです。

深刻な影響が出てくるのは、入院や治療が長引くケースです。元気で働いていたころに比べたら、どうしても収入は下がります。はじめのうちは貯蓄を取り崩したりして、なんとかやりくりできるかもしれません。でも、その状態が長く続けば、しだいに家計への負担は重くなります。お金の問題が気にかかり、落ち着いて治療を受けていられないでしょう。

そういうときに就業不能保険は役立ちます。病気やケガで収入が減っても、一定の基準で収入を補えるよう毎月の給付を受けられるので、安心して治療に専念できますよね。

それなら、すぐ就業不能保険に入ったほうがいいの?

そう思う気持ちはわかりますが、その前に自分のリスクを把握しましょう。というのも、人によってリスクの大きさは変わってくるからです。

会社員には傷病手当金がある

傷病手当金って、聞いたことがありますか。

これは会社員や公務員を助けてくれる公的な制度です。病気やケガが原因で仕事を休んだ場合、健康保険からお金が支払われるしくみになっています。

「風邪で会社を2日休んだけれど、傷病手当金なんて話なかった」といムッとした方もいるかもしれません。でもそれは、隠していたのではなく、傷病手当金を受け取る条件に該当しなかったからです。

傷病手当金は、病気やケガによって4日以上連続して休んだとき、4日目からが支給の対象となります。就業不能保険の免責期間のように、3日目までは傷病手当金が出ません。

この「4日以上連続して」という部分は注意してください。たとえば、「2日間休んで1日出社し、4日目から再び2日間休んだ」といったケースだと、連続して休んだ日数は2日だけです。したがって、傷病手当金が支給される条件を満たしているとは言えません。

傷病手当金の給付額は、1日につきお給料の3分の2に相当する額です。これが休んだ日数分、支給されます。

また、傷病手当金が支払われる期間は、最長で1年6ヶ月です。会社員や公務員は非常に手厚く保障されていると言えますね。

自営業者とフリーランスは経済的自衛策が必要

さて、世の中、会社勤めをしている人ばかりではありません。自営業者やフリーランスの人もいます。会社員とは違い、国民健康保険の被保険者ですので、残念ながら公的な保障が手薄です。仮に働けなくなったとしても、傷病手当金はもらえないのです。

体が資本という自営業者やフリーランスの方にとって、働けないことは収入の減少に直結します。仕事を休んだとたんに収入がゼロになる恐れもあるでしょう。しかも、出費は会社員よりも多くなる可能性が大です。家族の生活費や治療費に加え、自営のお店などの維持費や、手伝ってもらう人の人件費などもかかることがあるからです。つまり、働けない時の経済的リスクは非常に大きいと言えます。

そう考えると、会社員に比べたら自営業者やフリーランスのほうが、就業不能保険の重要性は高いのではないでしょうか?いざという事態に備えて、保障は少し手厚くしておくと安心できますよね。

1年半は給付金が半額になる就業不能保険も

このようにリスクの大きさはそれぞれ違うことを、おわかりいただけたでしょうか。

会社員であれば傷病手当金という心強い味方がいますから、働けなくなったからといって、いきなり収入がゼロになる心配はありません。最長で1年半と支給期間も長めです。

それでも、お給料と同じとはいかず、収入は3分の2に減ります。住宅ローンを払っていたりすると、けっこう厳しい家計になるかもしれません。そこで、傷病手当金を考慮に入れた上で、受取り始める期間や金額などを吟味して就業不能保険を用意しておくといいでしょう。

ところで、就業不能保険の中には、会社員・公務員向けのコースを設定しているものもあります。

通常の就業不能保険は免責期間を過ぎて支給が開始されれば、満額の給付金が出ます。しかし、このコースは支給開始から1年6ヶ月の間は、給付金の額が半分になります。というのも、傷病手当金が最長1年6ケ月まで受け取れるため、その間は、それほど大きな保障は必要ないからです。

会社員や公務員なら、こういったタイプのほうが、はじめから満額給付されるタイプよりも、保険料負担が軽くなるので検討してみてもいいのではないでしょうか。

まとめ

働けない状態は家計のダメージにつながるため、リスクが大きいものです。しかし、会社員や公務員は仕事を休んでも傷病手当金が出るため、すぐさま収入がゼロになることはありません。一方、自営業者やフリーランスは傷病手当金がないので、会社員よりもしっかりした経済的な自衛策が必要になります。こういう人々にとっては、就業不能保険の重要度がより高いといえます。

 

 

 

  • この記事を書いた人

矢野 康介

ファイナンシャルプランナー、トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)。大学卒業後、日本生命保険相互会社に新卒入社。法人営業として、一部上場の建築会社及び製薬会社を担当。その後、外資系生命保険会社にて保険事務、コールセンターの統括業務を経験。保険業界での経験は約20年にわたる。ドーナツの「保険をやさしく、わかりやすく」多くの読者に伝えたい想いに共感しドーナツ・マガジンにて執筆を開始。

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