がん保険

【FP監修】がん保険で実施件数が多い先進医療は?保険選びの基準となる直接支払制度について

更新日:

1 先進医療特約とは?

先進医療特約は、治療を受けた時点において、厚生労働大臣が認める先進医療に該当している場合、その先進医療に係る費用と同額の給付金が支払われる特約です。令和元年9月1日現在、先進医療として88種類の先進医療が認められています。

2 先進医療は医療保険の対象外

先進医療を受けた場合、一般の保険診療と共通する部分については一部負担で済みますが、先進医療に係る費用は全額自己負担になります。ここで確認しておきたいことは、先進医療の費用と利用の可能性です。この点について解説します。

3 先進医療の費用と利用の可能性はどのくらい?

先進医療は特定の病院でしか治療を受けられませんが、必ずしも高額な治療費がかかるとは限りません。しかし、がんの先進医療に関しては数十万円から数百万円かかるものもあり、費用負担は大きくなる可能性があります。

がん保険のパンフレットに書かれている先進医療と費用は、わざと治療費の高いものを選んでいるわけではありません。パンフレットには先進医療のなかでも実施件数の多い治療方法が紹介されています。先進医療の全体像をつかむために、先進医療合同会議における実績報告(平成29年7月1日から平成30年6月30日)を確認しておきます。

<がんに関する先進医療(抜粋)-実施件数の多い順>

技術名 平均入院期間 1件あたりの先進医療費用 年間実施件数
陽子線治療 17.9(日) 2,716,016(円) 1,663(件)
重粒子線治療 5.6(日) 3,133,672(円) 1,008(件)
MRI撮影及び超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法 2.1(日) 107,601(円) 366(件)
抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査 40.5(日) 33,773(円) 143(件)
腹腔鏡下傍大動脈リンパ節郭清術 10.6(日) 915,740(円) 79(件)

※出典:厚生労働省「【先進医療会議】平成30年度先進医療技術の実績報告等について」

実績報告では各先進医療の実績件数や医療費などが公開されています。上の表は、がんに関する先進医療(先進医療A※1)について、実施件数の多い順に選んでまとめたものです。

がん保険のパンフレットでよく見かける、「陽子線治療」や「重粒子線治療」の実施件数が圧倒的に多く、先進医療費用も高額であることが分かります。ただ日本人の死因の第1位が「がん」の割には、実施件数は少ないため、先進医療を受ける可能性は少ないとも言えます。

先進医療特約を付加するかどうかは、

・高額の負担に対応できる。
・治療の幅が広がる。
・治療費の負担を軽減できる。
・治療に専念できる。

といった点で検討するといいのではないでしょうか。

※1 先進医療は先進医療AとBに分けられていて、先進医療Aの方が信頼性の高い技術となっています。

4 先進医療給付金の直接支払制度

先進医療給付金を受け取る手順は、一旦、医療機関の窓口に治療費を支払い、後日、保険会社に給付金を請求します。先進医療特約を付けていたとしても、一時的に治療費の支払いが発生しますので、医療費の負担が生じます。

そこで、先進医療特約を取り扱う保険会社では先進医療給付金の直接支払制度を設けています。先進医療のなかでも高額な治療費がかかる「陽子線治療」や「重粒子線治療」が直接支払制度の対象となっています。

ただ保険会社によって直接支払制度を利用できる医療機関が異なりますので、利用する際には事前に確認しておくと安心です。

5 直接支払制度の流れ

先進医療給付金の直接支払制度を利用するためには、先進医療を受けることが決まったらなるべく早く保険会社に連絡します、
保険会社が治療内容や医療機関で制度を受けられるか確認後、請求書を提出し、問題なければ治療後に医療機関へ直接支払われます。

6 健康保険の限度額適用認定証との併用で窓口負担をさらに軽減できる

現役世代の医療費負担は3割ですが、医療費が高額になると、高額療養費制度を利用することで、医療費負担を抑える仕組みがあります。しかし70歳未満の人は、高額療養費制度を適用できたとしても、窓口で一旦、治療費を負担しなければなりません。

そこで、医療費が高額になりそうな場合、「限定額適用認定証」を事前に申請しておきます。医療機関の窓口で、保険証と併せて限度額適用認定証を提示すると、自己負担限度額までの支払いで済みますので、先ほどの先進医療と同様、一時的な支払いも軽減することができます。

7 保険選びには保険料だけでなく支払い方も重要!

がん保険を選ぶときには、保障内容や保険料が基準となるでしょう。しかし必要な時に必要な給付金を受け取ることも重要です。ご自身でロボアドを使い保険を選びたい人は、先進医療特約の直接支払制度も確認してみてください。また直接支払制度を含め、がん保険をどのように選んだらいいかわからない人は独立系FPに相談してみましょう。

  • この記事を書いた人
橋下秀樹

橋下 秀樹

CFP®、宅地建物取引士、証券外務員二種。これまで様々なお金に関する相談を通じ、家計への負担軽減のアドバイスを実施。ファイナンシャルプランナーとして講師も務める。ライフプランニング、住宅ローン、教育資金、退職後の生活資金、保険の見直しなど幅広い分野の執筆活動を行う。

-がん保険
-, , ,