個人年金保険

変額保険と変額個人年金保険|老後資金2000万円が足りない?

老後資金の2000万円足りない等いろいろ話題に事欠きませんが、現在の円建ての個人年金保険は積立利率が0.25%とあまりよくありません。その中で以前から注目を浴びているのが「変額個人年金保険」という商品があります。

投資性、運用性といった「市場リスクがある保険商品」なので、注意しなくてはいけないことが多いのですがどのような商品なのでしょうか。注意点も含めて本記事で紐解いてみたいと思います。

そもそも変額ってどういう意味?変額保険とは?

一般勘定と特別勘定

生命保険会社は通常、一般勘定で生命保険契約者から支払われた保険料を安定性を重視した国債などを中心に投資し管理・運用しています。

一般勘定は、定額個人年金保険・終身保険など、元本と一定利率が保証される保険商品が中心となります。一般勘定での運用実績が当初の予定と異なり、マイナスになったとしても、マイナス部分は生命保険会社が埋めるため、契約者への支払いの保険金や給付金に影響は出ません。

一般勘定とは別に、投資性を重視し資産を株式や債券を中心に運用しているのが「特別勘定」です。

特別勘定では、運用実績に応じて死亡保険金、解約返戻金が変動する変額保険や給付金が変動する変額年金保険が運用されるなど、保険商品の特性に応じて保険料を分離して管理・運用しています。運用実績は契約者への支払いの保険金や給付金に影響します。運用実績が良ければプラスに、悪ければマイナスになります。

変額保険とは

変額保険(Variable insurance)は、特別勘定で資産を株式や債券を中心に運用し、運用実績で保険金や解約返戻金が増減する保険のことです。金額が変動するため、変額保険と表現しています。

それでは、変額保険にはどのような種類があるのでしょうか?

変額保険の種類

一般的な生命保険と同様に、変額保険には、保険期間が一定である「有期型」と一生涯保障が継続する「終身型」、変額個人年金保険の3種類があります。

有期型

変額保険の有期型は、定額保険の養老保険と同様に、保険期間(保障期間)中に被保険者が死亡の場合には死亡保険金を、満期を迎えた場合には満期保険金を受け取ることができる保険です。保険料は満期まで支払い続けるか、短期間で支払い終えてしまうかのどちらかです。

満期の保険金額は特別勘定での運用の実績によって変動し、最低保証(元本保証)がないことが特徴です。運用実績により基本保険金額よりもプラスになることもあればマイナスになることもあります。解約時に受け取る解約返戻金にも最低保証(元本保証)がありません。保険期間(保障期間)も商品の特性から10〜30年ほどと長期になります。

保険期間(保障期間)中に被保険者が死亡した場合には、被保険者の死亡日時点の『基本保険金額+変動保険金額』を死亡・高度障害保険金として受け取ることができます。基本保険金額は運用実績にかかわらず最低保証されているので、変動保険金がマイナスになった場合でも基本保険金額は受け取ることができます。逆に運用実績が良い場合にはプラスになります。

終身型

変動保険の終身型は、定額保険の「終身保険」と同様、「一生涯、死亡保障が約束される」保険です。保険料は一生涯払い続ける終身払か、もしくは一定期間(10~40年)で支払い終えるかのどちらかです。

被保険者が死亡した場合には、被保険者の死亡日時点の『基本保険金額+変動保険金額』を死亡・高度障害保険金として受け取ることができます。基本保険金額は運用実績にかかわらず最低保証(元本保証されているので、変動保険金がマイナスになった場合でも基本保険金額は受け取ることができます。逆に運用実績が良い場合にはプラスになります。運用実績が良い場合には解約や減額など手続きを行うことで、資金を現金化することができます。

変額個人年金保険

変額個人年金保険(Variable annuity) は一般の個人年金保険と同様、老後資金に備えるための商品ですが、大きな特徴として資金を特別勘定で運用することにあります。保険料は一般的な月払等の平準払で満期まで支払う方法と、一時払で一度に支払ってしまう方法などがあります。

原則として満期時の年金原資額は特別勘定での運用の実績によって変動し払込保険料総額の最低保証(元本保証)がないことが特徴です。

年金受取開始後、年金額が一定となるもの、受取開始後も運用が続き実績に連動するものなどがあります。年金原資や年金受取総額に最低保証のあるタイプを取り扱う会社が増加しています。運用性の強い商品であるため、保険期間(保障期間)は10〜30年ほどと長めになります。

保険期間(保障期間)中に被保険者が死亡した場合には、被保険者の死亡日時点の『積立金』を死亡・高度障害保険金として受け取ることができます。死亡給付金額について最低保証がある商品が多いのですが、最低保証のないものもあるため注意が必要です。解約返戻金についても同様です。

我が国では2002年10月に銀行窓販解禁後、販売額が急増しました。銀行窓販では一時払の商品が中心となっており、平準払(月払・積立型)の商品も会社によって取り扱いがあります。また、外貨建ての商品などバリエーションが豊かです。

投資性の強い商品のため、最低保証(元本保証)がないことでトラブルにもなりやすい商品でもあります。

変額保険や変額個人年金保険の注意点

「特別勘定」の資産は、国内外の株式・債券等で運用しており、運用実績がそのまま保険金額や積立金額・将来の年金額などの増減につながります。株価や債券価格の下落・為替の変動により、積立金額、解約返戻金額は払込保険料の総額を下回り損失が発生する可能性があります。

変額保険や変額個人年金保険は、まず、変額保険販売資格を有する有資格者でなければ販売ができません。資産の運用方法(運用資産の種類や評価方法、資産の運用方針)や、商品の仕組み(資産の運用実績によって将来受け取る保険金などの額がどのように変動するのか等)について、生命保険会社は書面を用いて説明することが法律で義務付けられています。不明点があれば、担当者に説明を求め、納得した上で契約することが大事です。また、契約後も運用実績などについて1年ごとに書面を交付することになっています。

まとめ

以上、変額保険と変額個人年金保険の概要について説明してきました。まとめると、以下の通りです。

ココがポイント

  • 株式や債券を中心に特別勘定で資産運用をし、運用実績によって将来受け取れる年金額、死亡給付金額、解約返戻金が変動する
  • 満期保険金、解約返戻金などについて最低保証(元本保証)があるものとないものが存在する
  • 投資リスクは契約者本人が負う
  • 変額保険販売資格を持つ取扱者でなければ販売ができない
  • 資産の運用方法や、商品の仕組みについて、生命保険会社は書面を用いて説明することが法律で義務付けられている
  • 契約後も運用実績について1年ごとに書面を交付することが義務付けられている

なお、これらの商品については、投資性の強い商品で有るため、通販やインターネットでの契約はできません。必ず対面で販売資格を持った担当者から、書面交付の上、説明をうける必要があります。

一般の個人年金保険なども含めて比較し検討をすることを希望するのであれば、独立系ファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします!

  • この記事を書いた人

矢野 康介

ファイナンシャルプランナー、トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)。大学卒業後、日本生命保険相互会社に新卒入社。法人営業として、一部上場の建築会社及び製薬会社を担当。その後、外資系生命保険会社にて保険事務、コールセンターの統括業務を経験。保険業界での経験は約20年にわたる。ドーナツの「保険をやさしく、わかりやすく」多くの読者に伝えたい想いに共感しドーナツ・マガジンにて執筆を開始。

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