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個人年金保険

【FP監修】年代別で考える!老後資金の準備方法、個人年金保険の活用

老後資金として必要な金額

平均寿命は男性が81.25歳、女性が87.32歳(平成30年簡易生命表)となっています。平均寿命は0歳時の平均余命のことですので、平均寿命で資金計画を立てる場合には、現在の年齢における平均余命を見る必要があります。

ここではまず老後資金として必要な金額を考える上で、基本となる算出方法を紹介します。

まず何歳までの資金計画を立てるか考えなければなりませんが、女性の平均寿命を参考に、90歳までの計画を立てます。退職年齢を65歳とすると、老後生活は25年間となります。もちろん、100歳までの資金計画を立てた方が老後生活に余裕が生まれます。

資金計画の前提:老後生活を65歳から90歳の25年間とします。

老後資金として必要な金額は、65歳から90歳までの総額で考えます。

必要な老後資金

収入(年金・私的年金・金融資産の売却益・退職金など)-支出(生活費・家電家具代・冠婚葬祭費・医療費など)

この式で求めた金額が老後の必要資金で、物価上昇率を考慮しなければ、同額の貯蓄額があればギリギリ足りていることになります。

実際に必要な老後資金を計算しよう

必要な老後資金を計算するには、項目のひとつひとつを検討し、予定金額を決めなければなりません。エクセルなどの表計算ソフトを使えば求めることができますが、ここでは代わりに所得代替率を使って考えてみます。

なお、老後資金は、予定金額で考えますので、予定より差が出る可能性があります。ただ資金計画が実際と大きく離れてしまうと計画を立てる意味が薄れますので、できれば毎年見直しましょう。

さて、所得代替率は、「公的年金の給付水準を示す指標で、平均手取り収入額に対する年金額の比率」で表します。5年に1度行われている財政検証では、現役男子の平均手取り額で計算されています。

2019年度の所得代替率は、61.7%でした。年金の受取額が平均手取り収入額と比べて40%弱減ることを意味します。現役男子の平均手取り収入額が35.7万円で、夫婦2人が受け取る年金額が22万円で計算されています。

2019年の財政検証結果を見ると、様々な経済成長を想定して、複数のケースで検証されていますが、25年後の所得代替率は50%と見ているようです。

老後資金を考える場合、個々の状況によって異なりますので、退職後の生活費は平均手取り収入額相当分として、所得代替率を基に不足額を算出すると、次のようになります。

・40代:平均手取り収入額30万円、所得代替率50%
⇒毎月15万円不足

・30代:平均手取り収入額28万円、所得代替率40%
⇒毎月16.8万円不足

・20代:平均手取り収入額28万円、所得代替率40%
⇒毎月16.8万円不足

年代別の準備方法を解説していきますが、40代は毎月15万円、20代・30代は毎月17万円不足として進めていきます。なお、ご自身で考える場合には、金額や所得代替率は変えていただいて構いません。

厚生労働省 財政検証結果 所得代替率の見通し~実際、「どのくらい」受け取れるのか

年代別 老後資金の準備方法

ポイント

① 65歳退職、90歳までの計画

② 生活費 40代:毎月30万円、20代・30代:毎月28万円

③ 不足額 40代:毎月15万円、20代・30代:毎月17万円

(1) 【40代】老後資金の準備方法

状況

① 退職まで:25年(40歳の場合)

② 老後資金の不足額:4,500万円
(15万円 ✕ 25年 ✕ 12ヶ月 = 4,500万円)

40代の給与所得はピークに向けて増えているのが一般的です。おおよそ、これから得られる収入も想定でき、老後に得られる年金額の予想もしやすくなっています。一方、支出額も増えており、収入の上昇に合わせてピークに近づいている状況です。

また退職までは25年ありますので、余裕資金を運用する期間としても十分です。しかし支出が多い時期ですので、資金計画を立てた上で、保険料などに支払うことのできる金額を考える必要があります。月4万円を運用に回した場合のシミュレーションをしてみましょう。

<明治安田生命 「年金かけはし」(5年ごと利差配当付個人年金保険(2011)>

「契約年齢:40歳/性別:男性/据置期間:なし」の10年確定年金(65歳~75歳)でシミュレーションすると、毎月の保険料が20,000円、基本年金年額が約61.8万円となります。年金総額に対する保険料総額は103.0%で、3%増える計算です。

年金受取総額は約618万円となります。

<楽天証券 iDeCo(イデコ)シミュレーション>

「積立期間:20年/年収:500万円/積立金額:2.3万円」で節税を含めた運用益をシミュレーションすると、節税額が約110万円(20年間)、運用益の節税額を含めた運用による総受取額は約755万円(利回り3%の場合)となります。

iDeCo(イデコ)による節税額110万円分を見越して、個人年金保険の保険料や投資信託の掛金を増やすことも可能です。個人年金保険とiDeCoにより1,400万円程度準備できる計算です。

残りは支出の減る50歳(または55歳)ぐらいから65歳までの15年(10年)で貯蓄や運用をして準備します。退職金で2,000万円ほど想定できれば50歳(55歳)からの貯蓄額は少なくなります。

40代からの老後資金の準備方法
① 個人年金保険 618万円
② iDeCo 755万円
③ 退職金 2,000万円
④ 貯蓄 1,200万円
合計額      4,573万円

(2) 【20代・30代】老後資金の準備方法

状況

① 退職まで:35年(30歳)、45年(20歳)

② 老後資金の不足額:5,100万円
(17万円 ✕ 25年 ✕ 12ヶ月 = 5,100万円)

20代・30代は、これから給与が上がるのか、今の仕事を続けるのか、様々な点で不確定な要素があります。また個人年金保険やiDeCoなどによる支出を増やしてしまうと、収入が減った時に中断しなければならなくなりますので、無理のない範囲で利用しなければなりません。

40代とは違い、これからのスキル次第では所得増につながりますので、自己投資も忘れてはいけません。

このような状況で、シミュレーションしてみましょう。

<三井住友海上あいおい生命 個人年金保険>

20代・30代から個人年金保険を利用すると、毎月の保険料は少なくて済みます。20代・30代ともに30歳から個人年金保険を利用するとします。あいおい生命の個人年金保険の場合、「契約年齢:30歳/性別:男性/基本年金額:30万円」の10年保証期間付終身保険でシミュレーションすると、毎月の保険料は15,597円、90歳までの年金総額は約750万円となります。

<楽天証券 iDeCo(イデコ)シミュレーション>

「積立期間:30年/年収:400万円(30年間の平均)/積立金額:1万円」で節税を含めた運用益をシミュレーションすると、節税額が約54万円(30年間)、運用益の節税額を含めた運用による総受取額は約580万円(利回り3%の場合)となります。

20代・30代の運用方針は、状況により大きく変わりますので、個人年金保険やiDeCoのどちらか一方のみでも十分でしょう。また収入が増えれば、節税額や運用に回せる資金も増えますので、20代・30代の保険料や掛金に追加することも考えられます。

20代・30代からの老後資金の準備方法
① 個人年金保険 750万円
② iDeCo 755万円
※40歳から掛金を支払うことにし、40代の試算結果を流用
③ 退職金 2,000万円
④ 貯蓄額 1,600万円
合計額      5,105万円

シミュレーションから考えられる老後資金の準備方法

個人年金保険で老後資金の準備をする場合、20代~30代は、10,000円~15,000円、40代以降は20,000円の保険料を支払うことで、700万円前後を準備できることが分かりました。個人年金保険料控除を考慮していませんので、節税額を考えるともう少し増えるでしょう。

一方、iDeCo(イデコ)への投資を併用した場合、自営業者を除いて毎月の掛金は1.2万円~2.3万円ですので、40歳から上限額の毎月2.3万円を投資した場合、利回りが3%だとすると、節税額を含めて750万円準備できることがわかりました。ただ運用結果によってはこの金額を上回ることもあれば、下回ることもあります。

個人年金保険とiDeCo(イデコ)を合わせると、約1,500万円の資金ができる計算となります。ただ、転職を繰り返し平均収入が上昇しない場合や退職金がない場合など、状況によっては個人年金保険料の額や貯蓄目標額を増やすことも考えなければなりません。また物価が上昇すると必要となる老後資金の額も増えますので、注意が必要です。

まとめ

前提条件が異なれば結果も違ったものになりますので、この記事を参考にご自身でシミュレーションしてみてください。

自分でシミュレーションは難しいかも・・・という方は独立系ファイナンシャルプランナーに相談して試算してもらうことも可能です。

メディケア生命 新メディフットエース
  • この記事を書いた人

橋下 秀樹

CFP®、宅地建物取引士、証券外務員二種。これまで様々なお金に関する相談を通じ、家計への負担軽減のアドバイスを実施。ファイナンシャルプランナーとして講師も務める。ライフプランニング、住宅ローン、教育資金、退職後の生活資金、保険の見直しなど幅広い分野の執筆活動を行う。

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