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終身保険ってどんな保険? about

終身保険とは、生命保険(死亡保険)のひとつである「終身保険」。「終身」という名の通り、特徴は死亡保障が一生涯続く保険です。終身保険の加入率は35.3%※となっています。定期保険や収入保障保険と比べてどのような保険なのでしょうか。

※出典 (公財)生命保険文化センター「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」

目次

監修者プロフィール

吹田 朝子(すいた ともこ)

吹田 朝子

(すいた ともこ)

1級ファイナンシャルプランニング技能士、
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

ぜにわらい協会会長 一般社団法人円流塾 代表理事。人とお金の理想的な関係を追究するお金のメンタリスト®。1989年一橋大学卒業後、金融機関にて企画調査・主計部門を経て1994年より独立。
顧客相談3300世帯以上。TV出演・新聞連載など多数。結婚・妊娠・出産・子育てや転職・住宅購入、そして親の介護など、様々な人生イベントを含み、夫婦の稼ぎ方からお金の使い方、受け取り方、増やし方、そして家族のために次世代まで幸せが続くお金の使い道を設計することを生業としている。著書に「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」(スタンダーズ社)、「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」(C&R研究所)など多数。

長尾 義弘(ながお よしひろ)

長尾 義弘

(ながお よしひろ)

ファイナンシャルプランナー、AFP、日本年金学会会員、辛口保険評論家

NEO企画代表。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。
著書に「コワ~い保険の話」(宝島社)、「こんな保険には入るな!」(廣済堂出版)「商品名で明かす今いちばん得する保険選び」「お金に困らなくなる黄金の法則」「保険払いすぎ見直しBOOK」「最新版 保険はこの5つから選びなさい」「老後資金は貯めるな!」(河出書房新社)、「保険ぎらいは本当は正しい」(SBクリエイティブ)。共著に「金持ち定年、貧乏定年」(実務教育出版)。監修には別冊宝島の年度版シリーズ「よい保険・悪い保険」など多数。

1. 終身保険ってどんな保険?

(1)終身保険とは「死亡保障が一生涯、約束される保険」

終身保険しくみ図

終身保険は「保障期間が一生続き、被保険者が亡くなった時に死亡保険金が支払われる保険」。
同じ死亡保険でも定期保険や収入保障保険との違いは、掛け捨てではなく解約返戻金があるという点。
表現を変えれば、「貯蓄性」の機能があるともいえます。ただし、目的はあくまで「一生涯の死亡保障を用意する」ことにあるので、預貯金とは異なりますのでご注意ください。
世帯の家計維持者を契約者・被保険者として、死亡保険金受取人をその家計維持者の配偶者もしくは子とする契約の形態が一般的です。
家計維持者の万一の時に、終身保険だけで家族の生活資金を用意しようとすると保険料が高くなりがちです。そのため、定期保険特約を付加したり、終身保険とは別に、定期保険・収入保障保険等を契約して総合的に備えることが一般的です。

<例>
あなたが世帯の家計維持をしている場合
契約者・被保険者=あなた 死亡保険金受取人=あなたの法定相続人(あなたの配偶者・子)
配偶者が家計維持をしている場合
契約者・被保険者=配偶者 死亡保険金受取人=配偶者の法定相続人(あなた・子)

注意していただきたいのが、契約者・被保険者は同じ人にするという点。
異なった場合に、死亡保険金受取時の税金の扱いが変わってきます。
保険金受取時の税金
あなたが夫婦共働きであるなら、それぞれの万一(死亡)の場合に、世帯の家計にどのような影響があるのかを考慮して検討する必要があります。

(2)終身保険の種類は5つ

終身保険の種類について、5つのタイプをみてみましょう。

① 終身保険
被保険者の死亡時、もしくは保険会社所定の高度障害状態になった場合に保険金が支払われる死亡保険です。保障期間(保険期間)が一生涯続くのが特徴です。
② 低解約返戻金型終身保険(ていかいやくへんれいきんがたしゅうしんほけん)
一定期間の間、解約したときの返戻金を低くすることで保険料を安く抑えた終身保険です。一般的に、解約返戻金を低くしている期間は保険料を払っている期間と同じで、返戻金は低解約返戻金型ではない終身保険の70%程度となっています。
③ 積立利率変動型終身保険(つみたてりりつへんどうがたしゅうしんほけん):申込ルートは対面
市場の金利変動に対応し、積立金を運用しながら、死亡・高度障害の保障が一生涯続く終身保険です。積立利率は、毎月見直しが行われ、その時点の市場金利を反映します。契約時に定めた積立利率は、最低保証が設定されています。
④ 変額保険(終身型):申込ルートは対面
払い込んだ保険料を積立金として運用実績に基づいて保険金や年金額、解約返戻金が変動(増減)する終身保険です。経済情勢や特別勘定の資産の運用実績によっては大きな保障を期待できる反面、株価の低下や為替の変動により、元本割れのリスクも伴います。
⑤外貨建て終身保険:申込ルートは対面
払い込んだ保険料が外貨で運用され、解約しない限り被保険者の死亡保障・高度障害保障が一生涯続く終身保険です。解約や受取時など円にする際には、為替リスクを伴います。

保険のしくみ以外にも、引受基準の差でも終身保険は分類することが可能です。しくみからの違い以外に、リスクによるタイプが2種類あります。

①リスク細分型終身保険
一般に生命保険は保険加入者(被保険者)を年齢、性別、職業等でグループに分け、死亡率、病気の罹患率等をもとに保険料を算出しています。
そこからさらに身長、体重、血圧値、喫煙歴、健康状態等の細かいグループに分けてリスク細分型保険料率を算出し適用したものがリスク細分型保険です。
定期保険や収入保障保険に比べて、終身保険でこのリスク細分型は一部の保険会社で見られる程度ですが、タバコを吸わない人の割引など、今後、更に広まる可能性はあるでしょう。
生命保険会社所定の条件を満たし、リスクが低いと見なされれば保険料が安くなるのが大きな魅力です。
②引受基準緩和型終身期保険
健康状態に不安がある人でも申し込みしやすいように告知事項の内容を簡易に、保険の引受基準を緩和した保険です。保険加入者(被保険者)間の健康状態に関するリスク率が高い傾向になるため、保険料が割増になります。健康状態を詳細に告知することで保険料が割増しされていない保険に加入できる可能性もあるためよくご検討ください。
支払削減期間が設定され、契約日からその日を含めて1年以内に死亡保険金の支払事由に該当した場合、支払われる死亡保険金額が基本保険金額の50%に削減されている商品もあります。

保険マメ知識

自然保険料(しぜんほけんりょう)
年齢ごとの死亡率に基づき算出された1年ごとの保険料。
年齢が上がるにつれ、死亡率も高くなるため、自然保険料も高く算出される。
リスク細分型保険料(りすくさいぶんがたほけんりょう)
自然保険料を身長、体重、血圧値、喫煙歴、健康状態等の細かいグループに分けて死亡率を算出した保険料
引受基準(ひきうけきじゅん)
保険会社が保険契約を引き受けると定めた諸条件、基準

(3)保障期間(保険期間)について

終身保険は「保障が一生続く」保険契約です。
例えば、22歳で200万円の終身保険の契約した場合、被保険者が30歳で亡くなっても、80歳で亡くなっても、保険契約が有効であれば、死亡保険金の200万円は支払われる契約です。

(4)保険料と保険料払込期間について

保険料はどのタイプが安いの?
保険金を受け取る可能性や、保険金の支払われ方によって、次のような構図になります。

しくみ
終身保険 > 低解約返戻金型終身保険

保険料払込期間中の解約返戻金を低く抑えておくことで、低解約返戻金型終身保険は一般的な終身保険より保険料を安くしています。

リスク
引受基準緩和型終身保険 > 終身保険 > リスク細分型終身保険

リスク細分型であればさらに保険料が安くなる可能性があります。また、引受基準緩和型になると逆に高くなります。また、特約の付加状況でも保険料は変化します。

保険料の払込期間は?
保険料の払込方法は3通りあり、それぞれ払込期間が異なっています。
①有期払
払込満了を決めて一定期間、保険料を払込む方法です。比較的若い段階で終身保険に加入するのであれば、有期払も選択肢のひとつにしてもよいでしょう。払込満了の期間が設定されているため、一生保険料を支払う終身払と比較して保険料は高くなりがちです。よって、長生きをした場合に、払込保険料総額は終身払と比較して、最終的に安くなる可能性があります。
②終身払
終身払の名の通り、一生涯保険料を払い続ける方法です。死亡または保険会社所定の高度障害状態になり保険金が支払われるまで保険料の支払いを伴います。長生きすればするほど保険料払込期間も長くなるので、最終的に有期払いより、払込保険料総額が高くなる可能性があります。

有期払と終身払に共通する特徴として、保険料払込期間を通じて保険料の金額は変わりません。
③一時払
契約時にまとまった金額で一度に保険料の払込を終える方法です。運用の効果を期待される商品、例えば、積立利率変動型終身保険、変額保険(終身型)、外貨建終身保険でよく使われる払込方法です。契約当初は解約返戻金が一時払保険料相当額を下回っている可能性があるため、早期の解約は元本割れするリスクがあります。

(5)貯蓄性の機能と解約、解約返戻金について

死亡保障と貯蓄性の機能を合わせ持つ保険
保険料の払込みが満了しても、保障期間(保険期間)は一生涯であるため死亡保障は継続します。貯蓄性の機能部分を利用し、教育資金を備える方法や、保険会社との契約内容によっては、保険料払込を満了した終身保険を別の形に変えることで活用することができる場合もあります。例えば、保険会社の所定の範囲内で終身保険の積立金(責任準備金)の全てもしくは一部を年金や介護保障に移行することも可能です。
解約について
終身保険は解約返戻金がある保険のため、定期保険などの掛け捨ての死亡保険と比べると、保険料は高くなりがちです。ご家庭の経済状態で保険料支払いが負担になってしまうといった場合、解約をお考えになることもあるかと思いますが、払い済み保険へ変更する、死亡保険金額を減額するといった方法も考えられます。出来るだけ保障を無くさずに済む方法を検討しましょう。 それでもどうしてもという場合には、生命保険会社所定の手続きを踏むことで解約が可能です。生命保険会社ごとに手続き方法は異なりますので、詳しくはご契約の生命保険会社へご確認ください。
解約返戻金と税務について
終身保険は保険料の払込に伴い、解約返戻金が徐々に上がっていく保険契約になります。そのため早期に解約をした場合、解約返戻金が払込保険料総額を下回ることが一般的です。
解約返戻金を受け取った際、税金はどうなるのでしょうか?解約返戻金は、一時所得の扱いになります(2019年4月時点)。これは、解約までに払い込んだ保険料の累計額<解約返戻金の場合に一時所得として所得税がかかることを指します。基本的な計算式は、下記の通りとなります。

[解約返戻金-支払保険料総額 -50万円]
(特別控除)

x1/2

=課税対象額

払った額に対して増えた額が50万円以内なら課税されないこと、一方50万円を上回っても、増えた分の半額分が課税対象になるという意味で、預貯金などより、節税効果があると言われます。
一時所得は、その他の所得との総合課税となり、個人毎に税率等が異なるためご注意ください!!詳細は税理士または税務署にご確認をお願いいたします。

保険マメ知識

解約返戻金(かいやくへんれいきん)
生命保険などの保険契約を解約した際に戻ってくるお金のこと。
解約返戻率(かいやくへんれいりつ)
解約返戻金額を保険料累計額で割ったもの、解約返戻金として戻ってくる割合のこと。

(6)終身保険のメリット・デメリット

終身保険のメリット

① 終身保険は一生涯の死亡保障を用意することができる

② 低解約返戻金型終身保険で学資保険の代わりに教育資金を用意することができる

③ 相続税対策として利用することができる
相続税の納税資金準備としての活用

④ 生命保険料控除を利用して所得税・住民税の節税ができる
生命保険料控除に関する詳細記事はこちら

終身保険のデメリット

① 死亡保障額が高額であるほど保険料が高くなる

② 保険料払込期間を有期にすると保険料が高くなる

③ 保険料払込期間中に解約すると返戻金が保険料払込総額を下回る可能性がある

2. 終身保険の必要性

(1)遺族の生活必要額と遺族年金について

あなたに万一のことが起きた場合、残された家族の生活費はいくら必要となるのでしょうか。そして、現時点でその資金が足りているのかどうか、その考え方と計算のしかたについてみていきましょう。現時点での自己資金なども考慮した結果、やはりまだ資金が足りないという場合は、万一に備えて生命保険(死亡保険)を活用していくのが効果的です。

遺族の生活必要額の考え方と計算のしかた
遺族の生活必要額から見込まれる収入金額を引くことで、いくら資金が足りないのかを計算することができます。

生活必要額ー収入見込金額=死亡保障としての不足額

生活必要額

A 遺族の生活必要額の考え方は、現在の生活費を基準に考えます。お子様がいらっしゃる場合には、末子(一番下のお子様)が独立するまでの期間の生活費の目安を現在の生活費の70%程度として計算します。

B 末子の独立した時点での、配偶者の年齢から平均余命までの期間の生活費の目安は現在の50%程度として計算します。

C その他のライフイベント(子の教育資金、結婚資金、住居費用、葬儀費用、相続費用など)で生活費以外で別途必要となる費用がいくらぐらいとなるのか計算します。

ABCを合算したものが遺族の生活必要額の目安です。

収入見込金額
収入見込金額は、社会保障(遺族年金など)、会社員であれば勤務先の企業保障(死亡退職金、弔意金など)、自己資産(預貯金、有価証券、不動産など)、その他見込収入(配偶者の勤労収入など)を合算し算出します。
その他のライフイベントとして、子どもの教育資金の考え方
遺族の生活必要額の中でも教育資金は教育の考え方によって大きく変わる部分です。
参考までに統計をもとに下記の表を作成しました。
  公立 私立
幼稚園 ¥701,841 ¥1,447,176
小学校 ¥1,933,860 ¥9,169,422
中学校 ¥1,435,662 ¥3,980,799
高等学校 ¥1,352,586 ¥3,120,504
大学 ¥2,436,532 ¥4,578,578
大学院 ¥1,353,600 ¥1,842,720
  • ※幼稚園3年、小学校6年、中学高校各3年、大学4年、大学院2年で計算
  • ※幼稚園〜高等学校までは、学校外活動費(塾代など)を含む
  • ※高等学校は、学校給食費を含まない
  • ※高等学校は、全日制を前提
  • ※大学・大学院の学費には、学校外活動費その他教科書代、交通費、生活費等は含まず
※文部科学省
「平成28年度 子供の学習費調査」/「私立大学等の平成29年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
「平成30年度学生納付金調査結果」/「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」

この表をもとに学費を考えてみましょう。

幼稚園から大学まで公立で過ごした場合、7,849,149円
幼稚園から大学まで私立で過ごした場合、22,043,449円

表をみてもわかる通り、公立に通うのか私立で通うのかでトータルで約3倍近く、公立、私立とでは必要な教育資金の差が大きくひらいています。公立でも高校受験、大学受験で通塾することが一般的になっており、それなりに教育資金がかかります。教育資金の金額の幅としては一般的に1000万円から3000万円弱となっています。あなたや配偶者はお子さんの教育についてどう考えていらっしゃいますか?そしてお子様自身が成長してやりたいことを見つけた時に、その目標をどのように応援したいと思いますか?

<参考:保育園にかかるお金について>
最近は専業主婦世帯よりも共働き世帯の方が増加しており、保育園にお子様を通わせている方もいることでしょう。内閣府男女共同参画局の男女共同参画白書(概要版) 平成30年版によると、夫婦共に雇用者の共働き世帯数は1188万世帯、男性雇用者と無業の妻から成る世帯数は641万世帯と、共働き世帯が専業主婦世帯のおよそ1.9倍となっています。

住んでいる自治体および世帯所得によっても異なりますが、一般的に保育料は保育所0~2歳児クラスで年額453,710円、3~5歳児クラスで年額260,946円となっています。0歳から入所したとすると、6年間でおよそ2,143,968円となります。保育所に通わせる方が安いかと言うと一概にも言えないようです。共働きだからと言っても教育資金の準備が十分であるかどうかは家計状況によっても異なります。配偶者が亡くなった場合の時のことも考えて備える必要があると言えます。

※出典 総務省統計局「平成31年3月度の小売物価統計調査」
都道府県庁所在市および人口15万人以上の市の平均値を12ヶ月分としたもの
遺族年金とは
あなたに万一のこと(死亡)が起きた場合、残された家族にはどんなお金が出るのでしょうか?あなたが国民年金もしくは厚生年金保険の被保険者である(被保険者であった)場合、あなたが亡くなった時に、遺族年金というものが支払われることがあります。これは、あなたに生計を維持されていた遺族(家計を支えられていた人:配偶者、子ども等)が受けることができる年金です。
遺族年金の概要

原則として、『死亡した方の保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が国民年金加入期間の3分の2以上あること』が必要ですが、2026年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の属する月の前々月までの1年間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられるという措置があります。

遺族年金には、「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」があり、あなたの年金の納付状況などで、いずれかまたは両方の年金が支給されます。遺族年金を受け取るには、あなたの年金の納付状況・遺族年金を受け取る方の年齢・優先順位などの条件が設けられています。

まずは下記の表で遺族年金の概要を見てみましょう。

国民年金 厚生年金

死亡した被保険者(※2)
<例:自営業者>

死亡した被保険者(※2)
<例:会社員>

遺族年金を受け取れる人

  • ①子ども(※1)がいる配偶者(妻、夫)
  • ②子ども(※1)

尚、①が受け取った場合は、②は受け取ることができない。

遺族年金を受け取れる人

  • ①配偶者(妻、夫)、子ども(※1)
  • ②父母
  • ③孫
  • ④祖父母

尚、①〜④は受給優先順位を示す。仮に①が受け取った場合、②以降は受け取ることができない(以降同じ)。国民年金と異なり、子どもがいない配偶者(妻、夫)も受け取れる。子どもがいない夫、父母、祖父母は被保険者が死亡時点で55歳以上であることが必要。受給は60歳から開始。

年金の種類

  • 遺族基礎年金

年金の種類

  • 遺族厚生年金
  • 遺族基礎年金
  • (※1)子ども
  • ①18歳になる年度の3月31日までの子ども
  • <例>
    2020年4月10日で18歳→2021年3月31日までは子どもとして扱う
  • ②20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子ども
  • 結婚していないこと
  • (※2)被保険者だった
  • ①保険料納付済期間25年以上
  • ②1級2級の障害厚生年金受給者
  • ③厚生年金加入中に初診日がある病気やケガが原因で初診日から5年以内に死亡した人
遺族基礎年金はどんな年金?

死亡した被保険者が国民年金の加入者だった場合、遺族は条件を満たす時のみ遺族基礎年金を受け取ることができます。
遺族基礎年金を受け取ることができるのは、死亡した被保険者に生計を維持されていた、年収850万円未満の被保険者(被保険者であった者)の子どもがいる配偶者(妻、夫)、子どもです。
子どもがいない配偶者(妻、夫)は受け取れないためご注意ください。
子どもとは、① 18歳になる年度の3月31日までの子ども、② 20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子ども、かつ、その時点で結婚していないことと定められています。

それぞれについて説明しましょう。

18歳になる年度の3月31日までの子どもとは18歳になる年度の3月31日までは子どもとして扱うという意味になります。

子どもの年齢

②20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子どもとは
障害状態について、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」(平成29年12月1日)には下記のように定められています。

(1) 1級
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものとする。この日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度とは、他人の介助を受けなければほとんど自分の用を弁ずることができない程度のものである。
例えば、身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるものである。
(2) 2級
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。この日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度とは、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のものである。
例えば、家庭内の極めて温和な活動(軽食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものである。

1級2級の認定を受けている場合、障害基礎年金を受給しているので、確認方法については割愛いたします。

遺族基礎年金の受給額早見表

遺族基礎年金の計算式は、下記の通りです。 2019年(平成31年)4月から

780,100円+子どもの加算

子どもの加算 第1子・第2子 224,500円
  第3子以降 74,800円

※注
子どもが遺族基礎年金を受給する場合の加算は第2子以降について行い、子ども1人あたりの年金額は、上記による年金額を子どもの数で除した額。

遺族基礎年金の受給額の早見表は下記の通りです。

遺族構成 年金年額(円) 備考
妻(夫) ¥0
妻+子ども1人 ¥1,004,600 ¥780,100+¥224,500
妻+子ども2人 ¥1,229,100 ¥780,100+¥224,500×2
妻+子ども3人 ¥1,303,900 ¥780,100+¥224,500×2+¥74,800
第3子以降は子ども1人につき、¥74,800の加算
子ども1人 ¥780,100 第1子加算は妻(夫)がいる場合だけ
子ども2人 ¥1,004,600 ¥780,100+¥224,500
子ども3人 ¥1,079,400 ¥780,100+¥224,500+¥74,800

遺族基礎年金の受給資格を満たす遺族の人数が3人の場合で、妻(夫)+子ども2人か、子ども3人かという構成の違いで受給額に差がある点にご注意ください。

遺族厚生年金はどんな年金?
死亡した被保険者が厚生年金の加入者だった場合、遺族は条件を満たす時のみ遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方、もしくは遺族厚生年金のみを受け取ることができます。
遺族厚生年金の受給の要件は?

① 被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき。

※1 遺族基礎年金と同様、死亡した者について、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が国民年金加入期間の3分の2以上あること。

※2 死亡日が2026年4月1日前でかつ被保険者が死亡日に65歳未満であれば、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。

② 老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。

③ 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる者が死亡したとき。

遺族厚生年金を受け取ることができるのは、死亡した被保険者に生計を維持されていた、年収850万円未満の被保険者(被保険者であった者)の配偶者(妻、夫)、子ども、父母、孫又は祖父母です。遺族厚生年金は子どもの有無に関わらず配偶者は受け取ることができ、子ども、孫以外の遺族(妻、夫、父母、祖父母)は一生涯受け取ることができます。

<例外>
子どもがいない30歳未満の妻は5年間の有期給付になります。
子どもがいない夫、父母、祖父母は、被保険者死亡時点で、当該人物の年齢が55歳以上で、遺族厚生年金の受給開始年齢は60歳からとなります。

子どもがいる配偶者、子ども(子どもとは18歳になる年度の3月31日までの子どもまたは、20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子どもに限ります)は、遺族基礎年金も併せて受けられます。

遺族基礎年金を受け取ることができる遺族の詳細は前述通りです。

遺族厚生年金はいくら受け取れるの?
遺族厚生年金は遺族基礎年金に上乗せされる報酬比例部分と言われる年金です。
遺族厚生年金受給額の計算式

保険マメ知識

平均標準報酬月額(へいきんひょうじゅんほうしゅうげつがく)
「被保険者であった期間の標準報酬月額の合計」を「被保険者であった期間の月数」で割った額で、年金額の計算の基礎となるもの。平均標準報酬月額の算出に当たっては、過去の標準報酬月額については、現在の価値に換算するため、実際の標準報酬月額に再評価率をかけて計算。
平均標準報酬額(へいきんひょうじゅんほうしゅうがく)
平成15年4月の総報酬制導入以後の過去の標準報酬月額と賞与を合算した額

被保険者期間が、300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算します。①と②の計算式それぞれで計算し、①<②の時は、②の金額を報酬比例部分の年金額とします。老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある被保険者が死亡した時には、計算式の1000分の7.125及び1000分の5.481については、死亡した方の生年月日に応じて経過措置があります。

それでは、具体例で遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給額を計算してみましょう。

<例>

男性 被保険者 1989年4月6日生まれ
    1989年5月6日生まれ
第1子     2017年1月9日生まれ
第2子     2019年4月20日生まれ

2019年5月現時点で男性が亡くなった場合に出る遺族基礎年金と、会社員と仮定した上で報酬比例部分にあたる遺族厚生年金を計算します。

※1 男性が自営業だった場合
男性が自営業の場合は亡くなった際に支払われるのは遺族基礎年金のみとなります。第1子が18歳になる2035年3月31日までは遺族基礎年金の年金年額は¥1,229,100、2035年4月1日から第2子が18歳になる2037年3月1日までは遺族基礎年金の年金年額は¥1,004,600

※2男性が会社員だった場合(2011年3月大学卒業、2011年4月就職、厚生年金加入)

*平均標準月額30万円(年収360万円)
①の計算式の結果 ¥369,967(本来水準)年金年額
②の計算式の結果 ¥388,628(従前額保障額)年金年額
②の方が多いため、¥388,628が遺族基礎年金年額に対して加算されます。

第1子が18歳になる2035年3月31日までは、
遺族基礎年金と遺族厚生年金の総年金年額は¥1,229,100+¥388,628=¥1,617,728
2035年4月1日から第2子が18歳になる2037年3月1日までは、
遺族基礎年金と遺族厚生年金の総年金年額は¥1,004,600+¥388,628=¥1,393,228
という計算になります。

*平均標準月額60万円(年収600万円)
①の計算式の結果
¥616,612(本来水準)年金年額
②の計算式の結果
¥647,714(従前額保障額)年金年額
②の方が多いため、¥647,714が遺族基礎年金年額に対して加算されます。

第1子が18歳になる2035年3月31日までは、
遺族基礎年金と遺族厚生年金の総年金年額は¥1,229,100+¥647,714=¥1,876,814
2035年4月1日から第2子が18歳になる2037年3月1日までは、
遺族基礎年金と遺族厚生年金の総年金年額は¥1,004,600+¥647,714=¥1,652,314という計算になります。

中高齢の加算について

妻が40歳以上65歳になるまでの間、下記の①、②どちらかの条件を満たす場合、¥585,100(年金年額)が加算されます。

①夫死亡時点で妻の年齢が40歳以上65歳未満かつ生計を同じくしている子どもがいない場合

②子どもがいて遺族厚生年金と遺族基礎年金を受給していたが、子どもが18歳になった(障害の場合は20歳になった)等の理由で遺族基礎年金を受給できなくなった妻の年齢が40歳以上65歳未満の場合

2007年(平成19年)3月31日以前に夫が亡くなって、遺族厚生年金を受けられている方は、「40歳」を「35歳」と読み替えてください。

経過的寡婦加算について

遺族厚生年金を受給する妻が65歳になり、自分の老齢基礎年金を受給するようになったときに、65歳までの中高齢寡婦加算に代わり加算される一定額のことです。経過的寡婦加算の額は、1986年(昭和61)年4月1日から60歳に達するまで国民年金に加入した場合の老齢基礎年金の額と合わせると、中高齢の加算の額と同額になるよう決められています。

*1956年(昭和31年)4月1日以前生まれの妻に65歳以上で遺族厚生年金の受給権が発生したとき

※老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡した場合は、死亡した夫の共済組合等の加入期間を除いた厚生年金の被保険者期間が20年以上(または40歳以降に15年以上)ある場合に限る

*中高齢の加算がされていた遺族厚生年金の受給権者である1956年(昭和31年)4月1日以前生まれの妻が65歳に達したとき

国民年金の第1号被保険者の寡婦年金の給付について

第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が10年以上である夫が老齢年金等を受けずに死亡した場合、婚姻期間が10年以上の妻に60歳から64歳までの間、支給されます。

年金額 : 夫が受けられたであろう老齢基礎年金額(第1号被保険者期間に係る額に限る。)の3/4

65歳以上の遺族厚生年金の受給権者が、自己の老齢厚生年金の受給権を有する場合

65歳以上で遺族厚生年金と自己の老齢厚生年金を受給する権利がある方は、自己の老齢厚生年金は全額支給となり、遺族厚生年金は老齢厚生年金に相当額の支給が停止となります。

<遺族厚生年金の額について>
遺族厚生年金の受給権者が死亡した方の配偶者である場合、その遺族厚生年金の計算は、
①亡くなられた方の老齢厚生年金額の3/4
②亡くなられた方の老齢厚生年金額の1/2+ご自身の老齢厚生年金額の1/2

の2通りの計算方法があり、いずれか多い額が支給されます。

2007年(平成19年)4月1日前に65歳以上である遺族厚生年金受給権者の取扱い

2007年(平成19年)4月1日前に遺族厚生年金を受ける権利を有し、かつ、同日においてすでに65歳以上の方は、2007年(平成19年)4月1日前と同様に、次の①から③のうち、いずれかの組合せを選択することになります。ただし、③は、遺族厚生年金の受給権者が、死亡した方の配偶者である場合に限ります。

① 老齢基礎年金+遺族厚生年金
② 老齢基礎年金+老齢厚生年金
③ 老齢基礎年金+老齢厚生年金×1/2+遺族厚生年金×2/3

(2)活用法、より応用を利かせた活用法(葬儀費用・教育資金・相続対策)

自分の死後の葬儀費用などの整理資金として、また、相続対策として活用することも可能です。低解約返戻金型終身保険であれば教育資金を用意することも可能です。

葬儀費用として
独身の方の場合、もしくは子どもが独立した後の世帯であれば、葬儀費用の準備などに終身保険を利用することも考えられます。

葬儀費用はいくらぐらいあれば足りるものなのでしょうか?
日本消費者協会の調査(「第11回『葬儀についてのアンケート調査』報告書」2017年)によると、葬儀にかかる費用の総額は195.7万円となっています。
内訳としては、通夜からの飲食接待費(約30.6万円)、寺院への費用(約47.3万円)、葬儀費用一式(約121.4万円)が挙げられます。
葬儀の依頼先は、葬儀社がトップで全体の約67%を占め、「冠婚葬祭互助会」、「農協・生協・漁協」と続いています。
地域や慣習、宗教によっても葬儀費用は大きく異なるため、一概には言えませんが、約200万円あれば足りるのではないでしょうか。
葬儀を行わない場合(直葬)、火葬費用等の諸費用がかかるため、2〜30万円はかかると言われています。預貯金で現金として用意出来ているのであれば保険で用意する必要はありません。

国民健康保険、協会けんぽ等から「埋葬料」として5万円が支給されます。企業独自の健康保険組合の場合はさらに手厚い保障が用意されているケースもあるので自分の万一に備えて、この点も合わせて確認をしておきましょう。
低解約返戻金型終身保険を教育資金の準備に
低解約返戻金型終身保険は保険料の支払期間中の返戻率をぐっと下げて、払込が完了した時点から一気に返戻率が100%を超えてくる商品です。
満期金や祝い金がないことで返戻率を高め、保険を長く継続すればするほど返戻率が高くなるというメリットがあります。また、保険料の払込方法を年払や一時払い、全期前納などまとめて支払う方法を選ぶことでさらに返戻率を高めることができます。

教育資金準備に使える大きなポイントは、次の4点です。

①保険料の払込年数を10年や15年程度と極端に短くすることで返戻率を高めることができること

②払込が終わる10年後、15年後以降に子供の教育費がかかるように設計すれば、教育資金準備に効果的なこと

③学資保険のように祝い金や満期金のタイミングが決まっているわけではないので、海外留学など不定期に必要なときにお金を取り崩したい場合に、解約返戻金を活用できること

④もともとは終身保険で、被保険者は契約者である親自身にすると、親に万一の保障もしっかり確保できること

以上のことから資金に余裕がある場合は検討してみるとよいでしょう。ただし、その場合は短期間で払い込む分、保険料がかなり高額になる可能性があります。途中で支払が難しくなってしまって解約になると損をしてしまうこともありますので、長期的に保険料を支払い続けることができる範囲で加入を検討しましょう。
相続税の納税資金準備としての活用
あなたに万一が起き相続が発生した場合、相続財産(葬儀費用などの支出分を除く)は相続税の課税対象になります。遺産総額が基礎控除額以下であれば申告・納税は不要となります。

基礎控除額の計算のしかた=3000万円+(600万円×法定相続人数)

保険マメ知識

法定相続人(ほうていそうぞくにん)
民法で定められた相続人のこと。 法定相続人の範囲は下記の図のようになります。
法定相続人の範囲

基礎控除額を超えた部分が相続税の課税対象です。
相続税は相続が発生してから申告・納税は10ヶ月以内、原則、現金一括納付(物納、延納しない限り)となっています。
※配偶者の相続については「配偶者の税額軽減」という制度、未成年の相続については「未成年者の税額控除」があります。

この時の相続税相当額を死亡保険金額とし、契約者・被保険者(あなた)で、死亡保険金受取人をあなたの被相続人(配偶者、子)とする契約をすることで納税資金を確保するという活用法があります。

遺産分割対策としての活用

相続税の納税が必要ないというご家庭であっても、相続についての悩みがないわけではありません。実際、遺言を残しても、遺留分が問題になることもあります。他の相続人の遺留分を侵害する遺言を書いた場合、財産を受け取った人が遺留分減殺請求される可能性があるからです。しかし、生命保険金を受け取った場合には、遺留分減殺請求の対象にはならないというのが判例の立場で、生命保険を活用すれば、遺留分を気にせずに遺産分割することも可能です。

また、複数の相続人がいるのに遺産が自宅しかないようなケースも、トラブルの元です。この対策として、相続人の間での遺産分割をスムーズにできる方法に代償分割があります。

例えば、1軒の自宅しかなく、それをうまく分けられない場合、A男が自宅を相続し、B男に自宅の評価額の半分の代償金を支払えるようにすれば、公平に遺産分割ができるでしょう。その際に一括で払える代償金として、生命保険を利用することができるのです。

つまり、この例では、不動産を相続させたいA男を生命保険の受取人にして契約しておけば、その生命保険金を代償金として、B男に渡すことができ、スムーズな遺産相続が可能になります。

死亡保険金は生命保険会社所定の必要書類を提出し、死亡保険金受取人本人名義の口座へ現金で振込することが一般的です。

契約者と被保険者が同一人である生命保険の場合、この時の死亡保険金は、指定された死亡保険金受取人の固有の財産となります。表現を変えると、その相続人が相続放棄や限定承認をしていても死亡保険金は受け取ることができるということです。

生命保険で相続対策を行う際は、最寄りの税務署、税理士や弁護士に相談しよくご検討ください。

保険マメ知識

配偶者の税額軽減(はいぐうしゃのぜいがくけいげん)
あなた(被相続人)が死亡時、あなたの配偶者(相続人)が遺産分割や遺贈で実際に取得した正味の遺産額が1億6000万円もしくは配偶者の法定相続分相当額のどちらか多い金額までは相続税はかからないという制度になります。
未成年者の税額控除(みせいねんしゃのぜいがくこうじょ)
相続人が未成年者のときは、相続税の額から一定の金額を差し引きます。
(1) 相続や遺贈で財産を取得したときに日本国内に住所がある人(一時居住者で、かつ、被相続人が一時居住被相続人又は非居住被相続人である場合を除く。)又は、相続や遺贈により財産を取得したときに日本国内に住所がない人でも次のいずれかに当てはまる人 イ 日本国籍を有しており、かつ、その人が相続開始前10年以内に日本国内に住所を有していたことがある人。 ロ 本国籍を有しており、かつ、相続開始前10年以内に日本国内に住所を有していたことがない人(被相続人が、一時居住被相続人又は非居住被相続人である場合を除く。)。 ハ 本国籍を有していない人(被相続人が、一時居住被相続人、非居住被相続人又は非居住外国人である場合を除く)。 (2) 相続や遺贈で財産を取得したときに20歳未満である人 (3) 相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人)であること。
未成年者控除の額=満20歳になるまでの年数×10万円
年数の計算に当たり、1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します。

<例>
11歳1ヶ月 1ヶ月を切り捨てて11年として計算
20-11=9年、9年×10万円=90万円の金額を相続財産から控除する。
法定相続分(ほうていそうぞくぶん)
民法第900条に定められている法律上の遺産相続の割合
遺留分(いりゅうぶん)
民法第1028条で、法定相続分とは別途定められた一定の相続人が最低限相続できる財産のこと

法定相続分と遺留分の割合早見表

法定相続分
配偶者と子どもの場合、配偶者は常に1/2
子どもは残りの1/2を人数分で分ける
<例>
子ども3人
1/2×1/3=1/6ずつ
遺留分
配偶者と子どもの場合
配偶者は常に1/4
子どもは1/4を人数分で分ける
<例>
子ども3人
1/4×1/3=1/12ずつ

<例>
契約者・被保険者(被相続人) 相続人:配偶者、未成年の子ども2人
遺産総額6000万円 内訳 不動産(自宅)3000万円 預貯金1000万円
みなし相続財産 死亡保険金2000万円 死亡保険金受取人:配偶者

法定相続分 遺留分
配偶者 4000万円×1/2=2000万円 4000万円×1/4=1000万円
子ども2人 4000万円×1/2×1/2=1000万円 4000万円×1/4×1/2=500万円

自宅である不動産を分割し相続ということが困難であるので、配偶者が自宅を相続し、預貯金1000万円+死亡保険金2000万円を子どもたちの相続分とする、という活用法が考えられます。配偶者の税額軽減があるため、配偶者の3000万円に対しては非課税となります。また、未成年者の子ども2人についてもそれぞれ年齢に応じた税額控除があります。

(3)保険金受取時の税金

死亡保険金は相続みなし財産と呼ばれ、相続税の対象となります。ただし、非課税限度額が設定されています。相続人が受け取る死亡保険金は、非課税限度額までは相続税の課税対象とはなりません。超える部分については相続税の課税対象としてその他の相続財産と合算して相続税を計算することになります。

500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額

※法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとして計算する。法定相続人の中に養子がいる場合、法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人、実子がいないときは2人まで。

<例>
配偶者、子2人の場合 500万円×3人=1500万円 までが非課税限度額
配偶者、実子1人、養子2人の場合 500万円×3人=1500万円 までが非課税限度額
(実子がいる場合、養子は常に1人の計算になる)

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3. 終身保険の選び方・見直し方

終身保険に新たに加入する場合でも見直しをする場合でも、共通して重要なポイントは、何のために終身保険に加入するのかという部分にあります。
終身保険は「一生涯の死亡保障」「解約返戻金という貯蓄性」の2点が最大の特徴であるため、「一生涯の死亡保障」をメインで考えるのか、「解約返戻金があるという貯蓄性」を利用するのかというところで、変わってくるといえます。

(1)終身保険の新規加入を検討している場合

あなたの年齢と家族構成から何が適切な商品であるかを考えましょう。

シンプルに一生涯の死亡保障という視点で考える
終身保険で用意する死亡保障は死後の葬儀費用などの整理資金などの最低限で考えることができます。独身であれば、300万円~500万円程度の終身保険を確保し、そのほかはご自身が生きていくために必要となる医療保険、就業不能保険などを検討するのがバランスとしてよいでしょう。
既婚の場合でも、自分の死後の整理資金として300万円~500万円程度をベースに、ご家族の生活資金の準備としては、定期保険・収入保障保険などを組み合わせるほうが、最終的に無駄のない保険のかけ方といえるでしょう。
解約返戻金という貯蓄性機能を利用するという視点で考える
貯蓄性機能を利用するという視点で考えると、保険料の払込を終えた後のことを考えて、終身保険を老後資金として年金に移行できるもの、介護保障に移行できる終身保険を選ぶといったこともひとつの選択肢として挙げられます。
子どもがいるのであれば、学資保険の代わりに教育資金を準備するために低解約返戻金型終身保険に加入するということも選択肢になるのではないでしょうか。

(2)見直しの場合

あなたのご家庭に新たに家族の一員を迎えるといった場合には、ご家族の生活必要額が増加する可能性が考えられます。そうなった場合は既存の生命保険契約を含めて、必要保障額が足りているのか計算をし、新たに契約をする、もしくは既存の契約を増額するといった見直し方法があります。既存の終身保険の契約はそのままにして、新しく定期保険や収入保障保険を加えるとバランスよく、無駄なく家族の生活資金を準備することが可能です。

お子様が成長し独立した場合、一般的に必要保障額は下がります。死亡保険金額を減らし、ご自身が生きていくための保険(老後資金、介護費用)を検討するということも必要でしょう。

そういった場合に、同じ保険会社の別の保険商品へ転換(てんかん)するという方法を聞いたことがあるかたもいるでしょう。終身保険を転換制度で年金に変更する、介護保障に変更するといったやり方も考えられるからです。転換とは、今、加入している終身保険の契約の積立金(責任準備金)がある程度あれば、それを新しい保険に充当することで、一般的に、新規で保険に加入するよりも保険料負担が軽くなるといったことがメリットとして挙げられます。

しかし、転換の制度は、現在加入中の保険(転換の元にしようとしている契約)の保険会社の商品でなければ利用できず、必ずしも欲しい商品に転換できるとは限りません。保険の種類によっては転換ができない場合もあります。そもそも、転換制度がない保険会社もあります。

その他、保険料は転換時点の年齢が適用されるため通常、保険料が高くなる可能性が高く、健康状態の告知や診査も必要であるといったことあるため、慎重に検討したほうがいいでしょう。

なお、保険会社には、転換以外の方法や転換する前後の契約内容の比較など、契約者にとって不利益になる事項も含めて、書面に残し説明することが法律で義務づけられています。転換制度を利用する場合にはメリット・デメリットをよく確認しご検討ください。

その他、ご家庭の経済状態で保険料支払いが負担になってしまうといった場合、解約をお考えになることもあるかと思いますが、例えば、終身保険を払い済み保険へ変更する、死亡保険金額を減額するといった方法も考えられます。出来るだけ保障が無くならないで済む方法を模索しましょう。

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終身保険のチェックポイント

終身保険の加入にあたってのチェックポイントは下記の通りとなります。

何のため?
  • 死後の葬儀費用などの整理資金を準備するため遺族へ一定額を遺すため
  • 教育資金を準備するため
  • 相続税相当額を現金で準備するため
  • 分けられない遺産をトラブルなく相続できるよう代償分割を可能にするため
いくら必要?
  • 死後の整理資金程度
  • 子供の教育資金として無理なく準備したい額
  • 保険料負担が苦にならない金額で
期間は?
  • 生きている限り、一生涯続く(遺族へのお金)
  • 払込期間を短くして、途中解約で利用できるようにする(子供の教育資金)
誰が使う?
  • 契約者・被保険者=自分
  • 死亡保険金受取人=あなたの相続人(主に配偶者、子など)
受取方法は?
  • 自分(被保険者)の万一時に: 一括して受け取る保険